日本国際協力センター(JICE)が主催したカルタ大会にアラブ首長国連邦(UAE)シャルジャ市の生徒が招かれ、日本の伝統的なカードゲームを体験した。
2月13日~14日、Khawla Bint Tahlaba女学校から18人、Secondary Model School for boys, Sharjahから19人の生徒が大会に参加した。JICEが日本とUAEの文化交流のために行っている支援活動の一環。
カルタは日本の伝統的なカードゲームであり、機転とスピードを競う。簡単に言うと、読み上げられた言葉に対応する絵札を最初に見つけて手にした人が、その絵札を持ち続けることができ、最も多くの絵札を持っている者が勝ちとなる。楽しく遊べるが、読む力や聞く力が問われるため語学学習者にも最適だ。
UAEは、様々な国の言語や文化に精通したグローバル市民を育成することを目標に掲げている。
その一環として、Emirates Schools Establishment(ESE)は全国の公立学校で第二外国語教育を実施している。その内容が楽しいほど、生徒や入学希望者の心に響くのだ。
2021年、日本人教師の指導の下、UAEの公立学校で授業が始まった。生徒は日本語を学ぶだけでなく、日本の文化についても知る機会が得られる。事実、日本のポップカルチャーが日本語を学ぶ動機となっていることも多い。
現在、シャルジャの2校で9・10年生に授業が実施されている。JICEと日本人教師には、生徒やその最大の支援者である親に対して、言葉の学習が楽しいことを示すという共通の目標がある。
カルタ大会もそうした活動の一環だ。生徒は熱心に参加しており、従来の方法に頼らなくても言葉を学べることが示されている。
生徒はチームをつくってチーム名を自分たちで決めることで、楽しく、創造的な環境で能力を試す機会が得られる。
大会の後には日本とアラブの食べ物が出され、生徒は日本人教師やJICEのスタッフに熱心に日本語で話しかけ、言葉を練習していた。
Khawla Bint Tahlaba女学校で言葉を教えている日本人ヒロセ・モエさんは、大会によって、将来日本語を学びたいという生徒が増えると信じている。
「100人近くの生徒に日本語を教えることができました。言語能力向上のために協力し合う生徒とともにカルタ大会のような活動を実施することで、日本語の勉強を始めようという生徒を増やすことができます。
生徒たちは40枚のカードに自分たちで絵を描いて、デザインもしました」
女学校のジャミーラ・アルモカハウイ校長は「日本語の知識と能力で将来、生徒たちの視野が広がればいいと思っています。
JICEをはじめとする日本の団体の努力や支援のおかげで大会が実現しました。本当にありがとうございます」と語っている。
JICEアブダビ事務局の青木茂人局長は、大会がさらなる活動につながることを願っている。「このカルタ大会は、言葉の学習によって視野が広がり、教育に楽しさを持ち込むことができるという素晴らしい例です。これがきっかけとなってさらなる大会が開かれ、日本の言葉や文化に夢中になる生徒が増えることを願っています」