Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • ビジネス
  • 世界のエネルギー供給は持続可能でなければならない、とアラムコの役員は語る

世界のエネルギー供給は持続可能でなければならない、とアラムコの役員は語る

サウジアラムコのワシット・ガスプラント。従来の炭化水素燃料を持続可能なものにすることで、水素は世界がCO2を削減するのに役立つ可能性がある、と専門家らは考えている。アラムコは最近、ブルーアンモニアのサプライチェーンの実証実験を完了した。(ロイター/資料写真)
サウジアラムコのワシット・ガスプラント。従来の炭化水素燃料を持続可能なものにすることで、水素は世界がCO2を削減するのに役立つ可能性がある、と専門家らは考えている。アラムコは最近、ブルーアンモニアのサプライチェーンの実証実験を完了した。(ロイター/資料写真)
Short Url:
18 Nov 2020 09:11:42 GMT9
18 Nov 2020 09:11:42 GMT9
  • エネルギー部門は、新型コロナウイルスのパンデミックの混乱の中で「世の中のためになる力」だ

Mohammed Al-Kinani

ジッダ:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発が成功すれは、ワクチンの大量生産を世界のエネルギー部門に頼ることになるだろう、とサウジアラムコの最高技術責任者Ahmad Al-Khowaiter氏は17日、語った。

「幸いなことに、私たちには、コロナウイルスを倒すのに必要な数十億回分(のワクチン)を製造・輸送・貯蔵するためのエネルギーを供給できるエネルギーシステムを準備しています」と同氏は述べた。

この発言は、G20リヤド・サミットの一環として行われた、世界のエネルギーと気候の二重の課題への対応に関する、マスコミへの説明会で行われた。そこでAl-Khowaiter氏は、世界のエネルギー供給がいかに「世の中のためになる力」で、信頼でき、安価でありながら、より持続可能である必要があるかについて話した。

「問題は排出量を削減するかどうかではなく、どうやって削減するかです。私にとって、それは基本に立って考え直すことから始まります」と同氏は付け加えた。「私たちは、世界のエネルギーシステムを無限の資源と無限の廃棄物吸収能力から成る線形経済だと考えるのをやめなければなりません。その代わりに、自然からインスピレーションを得て、それを循環システムとして扱わなければなりません」

「毎年、自然の炭素サイクルの一部として、地球は人間が排出する20倍ものCO2をリサイクルし、それを木やプランクトンの中に閉じ込めます。そこでそれは、害悪の源泉ではなく、他の生物のエネルギー、生命と成長の源泉になります」と同氏は付け加えた。

エネルギーシステムは同じことをするように設計されなければならない、と同氏は述べた。「それが、サウジアラビアがG20議長国を務めているときに提唱した循環型炭素経済構想が意味するものです。私たちは、持って行って、作って、捨てる代わりに、どんどん減らして、リサイクルして、再利用しなければなりません」

同氏は、サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジズ・ビン・サルマン王子の言葉を引用し、「私たちは低炭素経済を信じていません。私たちは低排出経済を信じています。それが地球の未来にとって重要なことです」と述べた。

Al-Khowaiter氏は、従来の炭化水素燃料を持続可能なものにすることで、水素は世界がCO2を削減するのに役立つ可能性があると指摘した。「そうすることで、合成燃料を使ってCO2をリサイクルできるようになる可能性があります。そして、とりわけ重要なことに、それを二酸化炭素回収と組み合わせれば、水素製造プロセスに付随するCO2を除去することができます。加えて、水素は、再生可能エネルギーの生成によって持続可能です」

低炭素・無炭素製品製造時の二酸化炭素回収のコンセプトを証明するために、アラムコは最近、低炭素アンモニアやブルーアンモニアのサプライチェーンの実証実験を完了した、と関係者は述べた。

「私たちは、天然ガスを取り出し、それを水素に変換し、アンモニアに変換し、発生したCO2を回収し、それを私たちの改良された石油回収プロジェクトで隔離しました。(ブルーアンモニアは)サウジアラビアから日本の提携企業に出荷され、そこで現在ゼロカーボン発電で使用されています。これは循環型炭素経済アプローチの下で可能なことの一例にすぎません」と同氏は説明した。

更新は重要で、それらは近年大きく進歩したが、再生可能エネルギーだけではパリ協定の目標、今世紀後半の温室効果ガス収支を達成できないだろう、と同氏は付け加えた。

アラムコは全ての関連技術などに投資しているが、適切な政策も必要なので、技術だけで全てを解決できるわけではない、とAl-Khowaiter氏は述べた。「風力・太陽光発電が初期にそうだったように、製造・回収・輸送・貯蔵・再利用の各段階で企業に明確なインセンティブを与え、拡大を続ける炭素・水素市場を支えるということです」

世界の共通の利益に関する真の決意と現実的な楽観性があれば、人類は共に困難を乗り切るができる、と同氏は結論付けた。

特に人気
オススメ

return to top