



リヤド:サウジアラビアで愛される代表的な果物、デーツ。サウジ王国のおもてなしには欠かせない果物で、自宅、オフィス、そしてさまざまなイベントでは、いつもデーツとアラビアコーヒーが供される。
聖なるラマダン月の期間、デーツがイフタール(ラマダン月の断食を解く食事)の食卓にのぼる定番の果物であることに驚きはない。味、食感、色、甘さなどが異なる200種類以上の品種からデーツを選ぶことができる。
デーツはそのまま食べるのはもちろん、人気の伝統的なマムールクッキーの詰め物、飲み物やデザートの天然の甘味料、サラダの具材など、さまざまな形で使用されている。目的に適した品種を選ぶことで、確実に魅惑的な美食体験に出会えるだろう。
デーツが重宝されているのは、預言者ムハンマドが果物で断食を解いたと信じられていることに遡る。聖なるラマダン月にデーツを食することは、イスラム教徒が何世紀にもわたって従っている伝統である。
機械エンジニアのハレド・アル・ラマダン氏は、自由になるすべての時間を東部地区でのデーツ事業「カラマン・デーツ」に捧げている。「私はアル・アハサー生まれで、周りにはいつもナツメヤシがありました。農業の歴史への愛や元々の趣味が高じて、デーツ事業を始めました」と述べた。
同氏は、デーツ事業に携わる多数の人々と知り合いになり、彼らの仕事を高く評価していると語った。「デーツは食料品店など、どこでも入手できます。最低価格が1キロ2~3サウジアラビア・リアル(0.5ドル)くらいのデーツが出回っています。しかし、美味な高級品を生産できる生産者は、それに値する評価と支援を受けています…そういった生産者からデーツを買い上げて市場に流通させるべきです」
アル・ラマダン氏の好きな種類は、ラジズ・デーツ(Raziz date)だ。サフシフ(safsif)という伝統料理では、デーツの糖蜜とゴマで調理したラジズ・デーツが提供されることが一般的である。「また、信頼のおけるデーツの専門家であれば、最高のデーツとしてラジズ・デーツを挙げるでしょう。糖分は高いのですが、栄養価と風味で優れています」と述べた。
アル・ラマダン氏はアラブニュースに対し、サウジ王国で最も人気の高いラマダンのデーツ、4品種について説明してくれた。
アジワ(Ajwa):サウジ王国で最高級デーツのひとつとみなされているアジワ・デーツは、主にサウジアラビアの第二の聖都マディーナで生産されている。「聖なるデーツ」という愛称を持つ、黒またはダークブラウンのアジワには、独特の風味がある。甘みはそれほど強くなくフルーティーで、プルーンのような食感があり、ビタミンが豊富である。
ハラス(Khalas):ハラス・デーツもサウジ王国の高級品種のひとつ。ダークブラウンの楕円形のデーツで、甘いバターキャラメルの風味がある。「ハラスは、サウジアラビア東部地域とのつながりが深く、非常に有名な品種です。アル・アハサーは質と量の両面で、ハラス・デーツの最高かつ最大の生産地です。湾岸協力会議諸国(GCC)、特にサウジアラビアとアラブ首長国連邦のあらゆるパーティーでは、ハラス・デーツを一番よく見かけるでしょう」と述べた。
ソカリ(Sokari):アル・ラマダン氏のお勧めは、非常に人気の高い、甘いキャラメルのような風味のソカリ・デーツである。食物繊維が非常に豊富で、心臓病の人にも適している。「『ソカリ』という言葉は、アラビア語の『糖分』と似た響きを持ち、『甘いもの』を意味します。この品種はサウジで人気が高く、よく『王のデーツ』と言われます」と、同氏は付け加えた。
セガイ(Segai):セガイ・デーツは、柔らかい部分とカリッとした乾燥した部分の2つの異なる食感を持つ。ブラウンシュガーに似た風味がある。