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チャールズ3世の戴冠式で歴史的な英国ファッションが君臨、アラブ王族も華やかな装い

国王チャールズ3世とカミラ王妃(左端)、ウェールズ公妃キャサリン・ミドルトン妃(中央)。ヨルダンのラーニア王妃は、戴冠式で歴史と現代が混在する装いを披露した。(ゲッティ・イメージズ/合成)
国王チャールズ3世とカミラ王妃(左端)、ウェールズ公妃キャサリン・ミドルトン妃(中央)。ヨルダンのラーニア王妃は、戴冠式で歴史と現代が混在する装いを披露した。(ゲッティ・イメージズ/合成)
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07 May 2023 01:05:56 GMT9
07 May 2023 01:05:56 GMT9
  • カミラ王妃は、ブルース・オールドフィールド氏(大英帝国勲章受章)のデザインによる、金の刺繍が施された、床に届く丈の白いアンサンブルを着用
  • ヨルダンのラーニア王妃はクリーム色のペンシルドレス、モロッコのララ・メリエム王女は民族衣装で戴冠式に臨んだ

アラブニュース

ドバイ:英国でチャールズ3世の戴冠式が行われた際、世界中の視聴者の目はその式典と共にファッションにも釘付けとなった。

真紅のローブ、アーミンのケープ、毛皮で縁取られた赤いベルベットのコルネットといった歴史的な戴冠式の装いがロンドンのウェストミンスター寺院に溢れる中、英国王室は英国のデザイナーを支持し、アラブ王族も華やかさを誇示した。

チャールズ国王は、ジョージ6世の深紅のローブの上にロイヤルアーミンの毛皮を羽織ってウェストミンスター寺院に到着し、ジョージ6世の紫のローブ・オブ・エステートに着替えて寺院を後にする。

チャールズ国王は、王室御用達の修復家イード&レイベンスクロフトと王立刺繍学校によって保存されているジョージ6世の深紅のローブ・オブ・ステートにロイヤルアーミンの毛皮を羽織ってウェストミンスター寺院に到着し、ジョージ6世の紫のローブ・オブ・エステートに着替えて寺院を後にした。

戴冠式では、1911年にジョージ5世のために作られ、以降エリザベス2世を含め戴冠式で着用されてきた「スーパーチュニカ」と呼ばれる金色の袖きらめく外套を着用。重量2kgのこの衣装は、絹糸を金や銀の金箔で包んで作った金の布でできており、アラベスクや花のモチーフがあしらわれている。

スーパーチュニカの上に、国王は1821年に作られたインペリアル・マントと呼ばれる床まで届く丈のマントを着用した。

金の布で作られたこのマントには、ユリの紋章、帝国の鷲、赤とピンクのバラ・青いアザミ・緑のシャムロックといった国花の紋章があしらわれている。これは、王権の神性を象徴するデザインだ。

国王は、祖父が着用したコロネーション・ガードルとも呼ばれる1937年製の剣帯を再び使用した。金の刺繍が施された布でできており、国の紋章が刻印された金のバックルがついている。戴冠式用の片方のみの手袋は、コロネーション・ガントレットとも呼ばれ、戴冠式で国王が十字架付きの王笏を持つ右手にはめられる。

この衣装は普段ロンドン塔に保管されている。

その後、歴史的な聖エドワード王冠がチャールズ3世の頭に授けられ、1時間弱着用された後、再びロンドン塔に保管されることになる。

22カラットゴールドで作られた、360年の歴史を持つ王冠は、高さ30cm以上で、重量は2kg強。当王冠は、二本のアーチを持つ金のフレームが特徴で、ルビー、トパーズ、サファイア、ガーネットが据えられている。

1937年に作られた大英帝国王冠は、式典の後、国王がバッキンガム宮殿に向かう際に着用された。毛皮の縁取りの代わりに金の縁取りがあり、カリナンIIダイヤモンドを含む3つの大きな宝石が据えられ、補石として銀のマウント部に2,868個のダイヤモンド、金のマウント部にカラーストーンが埋め込まれている。さらに17個のサファイア、11個のエメラルド、269個の真珠が使われているのもこの王冠の特徴だ。

カミラ王妃は、戴冠式でメアリー王妃の王冠を着用した。これは1911年にメアリー王妃がその夫であるジョージ5世の戴冠式で着用した、2,200個のダイヤモンドとカリナンIII、IV、Vダイヤモンドからなる王冠である。

カミラ王妃は、ガラードがヴィクトリア女王のために製作し、1858年に贈った戴冠式用のネックレスを着用している。(ゲッティイメージズ)

また王妃は、ガラードがヴィクトリア女王のために製作し、1858年に贈った戴冠式用のネックレスを着用している。

このネックレスは、25個のグラジュエイテッド・ブリリアント・ダイヤモンドと、ラホール・ダイヤモンドと呼ばれる22.48カラットのダイヤモンドのペンダントがついている。このネックレスは王妃たちが過去に着用しており、1902年にアレクサンドラ王妃、1911年にメアリー王妃、1937年にエリザベス女王(後の皇太后)が着用した。

カミラ王妃は、高級婦人服・オケージョンウェアで最も知られるイギリスのファッションデザイナー、ブルース・オールドフィールド氏(大英帝国勲章受章)がデザインした金の刺繍が施された床まで届く白いアンサンブルを着用。オールドフィールド氏はカミラ王妃と密接な関係を保っているだけではなく、故ダイアナ妃が当時のチャールズ皇太子と結婚していた時にファッションのデザインを担当していた。

ウェールズ公妃キャサリン・ミドルトン妃は、チャールズ国王とカミラ王妃の要望と伝えられるフォーマルなローブとマントを身に纏ってウェストミンスター寺院に到着。その下にはバラ、アザミ、水仙、シャムロックをモチーフとした銀と糸細工の刺しゅうが入ったシルクのクレープ地でできたアレキサンダー・マックイーンのアイボリーのドレスを着用していた。(AFP通信)

一方、ウェールズ公妃キャサリン・ミドルトン妃は、チャールズ国王とカミラ王妃の要望と伝えられる正装のローブとマントを身に纏ってウェストミンスター寺院に到着。その下にはバラ、アザミ、水仙、シャムロックをモチーフとした銀と糸細工の刺しゅうが入ったシルクのクレープ地でできたアレキサンダー・マックイーンのアイボリーのドレスを着用していた。アレキサンダー・マックイーンのクリエイティブ・ディレクターであるサラ・バートン氏は、2011年に彼女のウエディングドレスのデザインも手掛けている。

また、ウェールズ公妃は、ティアラではなく、植物を模したきらびやかなヘッドピースを着用していた。

このヘッドピースはジェス・コレット×アレキサンダー・マックイーンの作品で、きらめくシルバー、クリスタル、銀糸の葉の刺繍で構成されている。

その素晴らしいジュエリーに加え、亡き義理の母、ダイアナ妃の遺品であるパールとダイヤモンドのイヤリング、さらにジョージ6世のフェストゥーンネックレスを身に着けていた。このネックレスは、ジョージ6世が娘のエリザベス王女(後のエリザベス2世)のために要望し1950年に製作されたものだ。

キャサリン皇太子妃の傍らにいるウィリアム王子は、やはりチャールズ皇太子とカミラ王妃の要望により、ウェールズ近衛連隊の儀礼服の上に正装のローブとマントを着用していた。(AFP)

キャサリン皇太子妃の傍らにいるウィリアム王子は、やはりチャールズ皇太子とカミラ王妃の要望で、ウェールズ近衛連隊の儀礼服の上に正装のローブとマントを着用していた。

一方、サセックス公爵ハリー王子は、黒のスリーピースの燕尾服を着用し、胸に勲章をつけていた。(AFP)

一方、サセックス公爵ハリー王子は、黒のスリーピースの燕尾服を着用し、胸に勲章をつけていた。戴冠式での公的な役割は無かった。

ラーニア王妃は、クリーム色のペンシルドレスで戴冠式に出席した。(ゲッティイメージズ)

ヨルダンのラーニア王妃は、オーストラリアのデザイナー、タマラ・ラルフ氏が手がけたとされる、肩を包むリボンのようなデザインが施され、袖が透けたペールイエローのペンシルドレスで戴冠式に出席。ティアラ使用を控えたこの日のスタイルに合わせ、ドレスに調和した帽子を被り、イタリアの高級ブランド、ボッテガ・ヴェネタのノット・イントレチャート・レザー・クラッチと、ジミー・チュウの白のロミー・パンプスを身につけていた。

 

 

カタール首長タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニの妻であり妃であるカタール王室のシェイカ・ジャワヘル・ビント・ハマド・ビント・スハイム・アール・サーニ氏も出席した。彼女は、ウエストを絞ったデザインでたっぷりと刺繍が施されたグレーの長袖ガウンと、床まで届く丈のオフホワイトのケープを着用し、それに合わせたクラッチバッグとアラベスク・ダイヤモンドのイヤリングを身に着けていた。

モロッコのララ・メリエム王女(故ハッサン2世の娘、モハメッド6世の姉)は、ライラック色の伝統的なドレスに白いケープを肩に巻いた装いで登場。華やかなペアシェイプのイヤリングを身に着けていた。

モロッコのララ・メリエム王女は、ライラック色の伝統的なドレスに白いケープを肩に巻いて登場。(ゲッティイメージズ)

 

 

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