
リヤド:サウジアラビアは成長見通しを下方修正し、当初の黒字予想から、今年は赤字に転じる見通しであることが、30日に発表された予備予算方針により明らかとなった。
財務省が発表した文書によれば、アラブ最大の経済大国である同国の今年の実質国内総生産(GDP)成長率は、当初の3.1%増という予測から、0.03%増になると予測されている。
また、政府は2023年には当初160億リヤルの黒字を見込んでいたが、今回の予測では820億リヤルの赤字になる見込みであると同報告書では述べられている。
同政府は、2024年の歳入総額を1兆1720億リヤル(3125億1000万ドル)、歳出総額を1兆2510億リヤルと見込んでいる。以前の予測では、この年の歳入は1兆1300億リヤル、歳出は1兆1140億リヤルと見込まれていた。
サウジアラビアは、原油生産量を大幅に削減した。世界最大の原油輸出国である同国が言うには、これは石油市場の安定化のためである。原油価格は、昨年の平均である1バレルあたり100ドルを下回っている。
同報告書ではまた、同政府が2024年にGDPの1.9%、2025年にはGDPの1.6%、そして2026年にGDPの2.3%の財政赤字を計上するだろうと予測されている。そこでは、拡張的な歳出政策と保守的な歳入見積により、中期的に「限定的な財政赤字」が続くだろうと述べられている。
実質GDPは、2024年には4.4%、2025年には5.7%、2026年には5.1%成長すると予想されている。
サウジアラビア経済は昨年、原油高を背景に8.7%の成長を遂げ、ほぼ10年ぶりの財政黒字を記録した。
この修正された予測について、アルラジ・キャピタルは「政府歳出の増加は、歳入の増加だけでなく、追加の債務水準によっても支えられている」と述べた。
「繰り返しになるが、2023年については、アラムコによる最近の公示価格差額(PLD)引き上げにより、石油収入が7490億リヤルに達する可能性がある。さらに、2023年上半期の非石油収入は、非石油GDPの成長率に牽引され、すでに2022年上半期のそれを上回っていることから、われわれは非石油収入の予測を4400億リヤル(前回の予想では4210億リヤル)へと増額した。
さらに、IMFの国別報告書によれば、非石油部門のGDP成長率は近い将来4%の大台を軽く超えるだろうと予想されている。われわれは、このことが、今後の政府歳出増を下支えすると考えている。
(1兆1140億リヤルから1兆2620億リヤルへの)歳出の加速は、政府による戦略的な動きとみなすことができ、ビジョン2030の目標に向けた支援を反映している。政府歳出はビジョン2030の目標を実現する上で極めて重要な役割を果たすとわれわれは考えている」とアルラジ・キャピタルは語った。
同社はさらに、「われわれの見解では、政府は健全な準備金水準(2023年第2四半期時点で4億1000万リヤル)を維持し、非石油収入の増加とレバレッジの拡大によって支出を支えるだろう」と述べた。
ロイター