
東京:10月10日、日本国債の利回りは最近付けていた過去10年の最高値から下落した。米国債の利回り低下を追う形で、FRB(米連邦準備銀行)が利上げを終えた可能性や、中東の紛争などが背景にある。
日本国債10年債の利回りは先週、過去10年で最高となる0.805%を記録したが、0.765%まで下落した。最新の値は0.775%となっている。
日本国債30年債の利回りは過去2週間の最低値まで下落し、その後1.725%まで上昇した。
この下落はアジア時間取引で、ここ1か月以上で最も急激に反発した米国債の値動きを反映している。FRB関係者の発言によって投資家の間にさらなる利上げの見込みが低下したとの観測が広がり、中東での騒乱を受けて安全資産への需要が高まった。
りそなホールディングスのストラテジスト、石田武氏によると、週後半のアメリカCPIデータの発表に市場の注目が向くものの、リスク・センチメントに支えられ、日本国債利回りは今週低いまま推移する見通しである。
「(アメリカの)インフレの下降トレンドに変化はないと考える。したがって、CPIの数字が利回りの大幅な上昇を引き起こすとは考えにくい」
しかし、日銀がアメリカやヨーロッパの中央銀行と比較して金融政策のサイクルにおいて異質な立場を取っていることから、日本国債の利回り低下は海外に比べると小幅にとどまる可能性があるとも石田氏は説明した。
日銀はいまだに超緩和的な金融政策から抜け出していないものの、日銀が利上げを行うという観測は高まっている。
最近発表された、9月に開かれた日銀の政策決定会合の「主な意見」は、日銀はマイナス金利政策を終わらせるための準備段階に入っている可能性を示唆している。
日本国債20年債の利回りは0.02%低下して1.57%となった。
短期債では、日本国債2年債の最新の利回りは0.055%であった。
5年債の利回りは10月11日の国債入札を前に0.02%低下して0.31%となった。
ロイター