
中東情勢の緊迫を背景に、金相場が騰勢を強めている。貴金属販売大手の田中貴金属工業(東京)によると、16日の店頭小売価格(税込み)は、前週末に比べ262円高の1グラム当たり1万233円となり、9月21日以来約3週間ぶりに最高値を更新した。
イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの戦闘激化を背景に、投資家が「有事の金買い」に動いている。前週末は国際的な指標であるニューヨーク金先物相場が急伸したことを受け、円建ての金価格も大幅高となった。
金は9月下旬から10月上旬にかけて、米国の金融引き締めの継続観測が重しとなり下落したが、「ウクライナに続く中東情勢の悪化により、安全性の高い資産として買い直されている」(商品アナリスト)。
日本取引所グループ(JPX)の大阪取引所の金先物相場も急伸した。取引の中心である2024年8月決済物が、14日未明の取引で一時234円高の1グラム当たり9262円を付け、最高値を塗り替えた。
時事通信