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チュニジアでオンライン会議が開催されたのを受けて国会が解散、調査開始

2019年に就任したカイス・サイード大統領は昨年7月25日に首相を解任し、議会の機能を停止して広範な権力を手にした。(ロイター/資料写真)
2019年に就任したカイス・サイード大統領は昨年7月25日に首相を解任し、議会の機能を停止して広範な権力を手にした。(ロイター/資料写真)
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31 Mar 2022 04:03:53 GMT9
31 Mar 2022 04:03:53 GMT9
  • 会議を主催したのは独立系議員のタレク・フェティティ副議長
  • チュニスの議事堂は治安部隊が引き続き封鎖

チュニス:地元メディアの報道によると、機能停止中の議会の議員が30日にオンラインで全体会議を開催したのを受け、チュニジアの法務大臣は「国家の安全に対する共謀」の疑いで調査を始めるよう司法長官に要請した。

同国の国会議員は、議会を停止してカイス・サイード大統領がほぼ全権を掌握するという大統領令の撤回を求め、30日に投票を実施した。オンライン会議で大統領に公然と反旗を翻した形だが、大統領は会議は違法だと述べている。

サイード氏は、政界に向けられた大衆の怒りを背景に2019年に大統領に就任した。ところが昨年7月25日に首相を解任し、議会の機能を凍結して広範な権力を掌握した。2011年の「アラブの春」運動のきっかけとなった国の民主主義にとって、これは大きな痛手となった。

大統領は「例外的措置」をとることが憲法で許されていると主張し、9月に議会の停止期間を延長し、統治する権限や大統領令で新たな法律を施行する権限を自身に与えた。

チュニスにある国会議事堂は治安部隊によって封鎖中だが、217人の議員のうち120人が30日のオンライン会議に出席した。

イスラム系政党アンナハダの党首でもあるラシッド・ガンヌーシ議長は参加しなかった。

会議を取り仕切ったのは独立系議員のタレク・フェティティ副議長。

大統領の「例外的措置」を無効にする議案が116人の賛成で成立した。議員たちは、そうした措置によって民主プロセスが阻害され、独裁体制が再度敷かれるおそれがあると主張している。

議員は政治の停滞を打破するため、議会と大統領の選挙に加え、全国的な対話も求めている。

「私たちの議員資格は凍結されたり、停止されたりしていません。しかし、新たなファラオの権力下に置かれています」と、かつて大統領選に立候補したこともある独立系の議員サフィ・サイード氏は述べている。

大統領は議会の「違法」な開催を非難し、オンライン会議の責任者たちは混乱の種をまこうとしていると語った。

大きな力を持つ労働組合UGTTも29日に議会開催の動きを非難し、議員たちは「国に紛争と政治対立を呼び込む」意図があると述べている。

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