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サウジアラビアのレッド・シー・グローバルはCOP28で持続可能な『再生可能な観光』をリードする

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01 Dec 2023 11:12:31 GMT9
01 Dec 2023 11:12:31 GMT9
  • ジョン・パガーノCEO 「COP28は、気候変動に関する国家間の議論と意思決定のための、世界的なプラットフォームを提供する」

サラ・グラブ

ロンドン:サウジアラビアの「レッド・シー・グローバル」(RSG)は、今週開催される国連気候変動会議(COP28)において、環境における観光開発の役割を紹介することを待ち望んでいる。

RSGのジョン・パガーノCEOはアラブニュースに次のように語った。「私たちの目的は、観光開発が世界最大の課題の緩和において、いかに積極的な役割を果たすことができるかを示し、環境業界の仲間を支援することである」

「私たちにとって、言葉の上だけではなく、私たちが実際に歩んできた道のりを伝えることは重要な鍵となる。なぜなら、このイベントとその参加者に向けられた目は、会話だけではなく、その行動を求めているからだ」

11月30日から12月12日までドバイで開催されるこの会議は、昨年のエジプトに続いて2年連続でアラブ諸国が開催地となる。

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「COP28は、気候変動に関する国家間の議論と意思決定のための、世界的なプラットフォームを提供する」とパガーノ氏は述べ、RSGおよびその専門家数名がフォーラムの様々な要素に参加、展示、講演を行う予定であると付け加えた。

サウジアラビアの公的投資基金(PIF)が100%出資し、2018年に設立されたRSGは、先日ロンドンで開催されたワールド・トラベル・マーケット(WTM)への参加を終えたばかりだ。パガーノ氏は、今年の参加で大きく異なる点は、施設のオープンについて話すことができたことだと述べた。

先月、「ザ・レッド・シー」は最初のゲストを迎えた。また、彼らの所有する2つのホテルは予約を受け付けている。紅海国際空港(RSIA)は9月から定期便を受け入れている。

サウジアラビアの閣僚や首脳の一団が「ザ・レッド・シー」の最初のゲストとなり、リヤド発のサウディアの特別塗装機で紅海国際空港に降り立った。(www.redseaglobal.com)

「中東初のカーボンニュートラル空港となる紅海国際空港が定期便の運航を開始する中、サウジアラビアの西海岸線に位置するラグジュアリーなデスティネーション、『ザ・レッド・シー』が最初の訪問者を迎えた」とパガーノ氏は語った。

「私たちは、人々が私たちの成果を直接見て体験できるよう、バケーションを予約できるようになったことを嬉しく思う。私たちが実現したのは、比類のない美しさを誇る景観の中で、畏敬の念を抱くほどのリゾート体験を提供することだ。この取り組みは、地域の自然の宝物に対する深い敬意に基づいている」

2030年の完全完成時には、22の島と6つの内陸部に最大8000室のホテルと1000戸以上の住宅を提供する50のリゾートが建設される予定だ。また、豪華なマリーナ、ゴルフコース、エンターテイメント、飲食、レジャー施設も併設される。

パガーノ氏はこう語った。「人々は、ザ・レッド・シーのオープンに興味をそそられている。そして、自然環境を保護するだけでなく、改善することを含んだ再生観光という私たちのビジョンに刺激を受けている」

「6年前にこの旅路を歩み始めて以来、ホテルやリゾートのオープンについて同業者に話すことができる機会をいつも楽しみにしていた。今年のWTMでの経験は、私たちにとって、いつまでも記憶に残るものになるだろう」

彼は、ザ・レッド・シーのオープンが組織にとって進化の年であった唯一の理由ではないと指摘ながら、ゲスト体験を向上させるために設計された一連の子会社ブランドを立ち上げたことを強調した。これには、ウォータースポーツやダイビング体験を提供する「WAMA」や「Galaxea」、アドベンチャー・スポーツを運営・管理する「Akun」が含まれる。

「したがって、これらの事業体がどのように王国への観光を促進し、持続可能性へのコミットメントを維持するのか、その方法について業界の仲間たちと話すことは素晴らしい経験だった」と彼は付け加えた。

RSGは近年、持続可能で環境に優しい観光を促進するための努力やイニシアティブが評価され、複数の賞を受その中で最新のものは、米国グリーンビルディング評議会から授与された、これまでに記録された最高得点を獲得した権威あるプラチナLEED v4.1認証である。これはRSGの持続可能性への献身の証となり、再生可能な観光地開発における大きなマイルストーンとなった。

来年の抱負について、パガーノ氏は次のように語った。「初めて紅海を訪れる人々に、忘れられない思い出を経験してもらうと同時に、また来たいと思ってもらえるようにしたい。そのためにも、目的地のスムーズな運営は、年間を通じて、私たちの主な焦点となる」

世界クラスの目的地を開発することも優先事項だ。

「例えば、芸術、ウェルネス、紅海の清らかさに触発され、変幻自在の個人旅行を提供するために設計された『アマアラ』(Amaala)は、2025年に最初のゲストを迎える予定である。来年の会議でさらなるアップデートを提供することを楽しみにしている」と、彼は付け加えた。

RSGのポートフォリオには、『ビジョン2030』の一部である紅海とアマアラという世界をリードする2つのデスティネーションが含まれており、これらの観光目的地は、責任ある再生可能な観光地であるとともに、王国のラグジュアリーツーリズムと持続可能性の提供を強化し、自然環境を保護し、将来の世代のために強化することを目的としている。

「私たちは、持続可能性の目標にも取り組んでおり、再生可能な観光というビジョンを現実のものとすることに尽力している」とパガーノ氏は語った。

「今年は、5つの太陽光発電所の設置を完了し、76万枚の太陽光発電パネルを敷設し、ザ・レッド・シーの第1期のデスティネーションに電力を供給した」

「また、電気自動車やハイブリッド車、ボート、航空機を使用した、デスティネーション全体のクリーンモビリティ戦略も実現している」

「2040年までに、私たちはマングローブ、海草、サンゴ、陸上植生を含む生物学的に多様な生息地を強化することで、デスティネーション全体で30%の正味保全利益を実現することにコミットしている」

彼は、ザ・レッド・シーの海洋生物学チームが紅海に生息する約300のサンゴ礁の場所を監視していること、サンゴの育成に最も効果的な構造や方法を確立するために、その試験段階が現在進行中であることを強調した。これまでのところ、その結果は非常に有望であると彼は付け加えた。

「私たちが『国立植生被覆センター』(NCVC)と共同で立ち上げたマングローブの苗床は、2030年までに5000万本のマングローブを植えるという目標を達成するための軌道に乗っており、すでに最初の100万本の苗が植えられている。また、ゲストがサンゴの養殖やマングローブの苗木の植樹をサポートするための、実践的な機会を模索している」

この活動は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が2021年に立ち上げた『サウジ・グリーン・イニシアチブ』(SGI)のプログラムのひとつであり、植生を増やし砂漠化対策に役立てるため、王国全土に100億本の木を植えるという計画に基づくものだ。

この100億本の植樹は、同じく皇太子が同年に立ち上げた「中東グリーン・イニシアティブ」のもとで地域に植樹される予定の合計500億本の一部である。

パガーノ氏は、「私たちは、観光セクター全体が私たちのリードに続くよう、他の人々を刺激することを願っている」と語った。

24時間365日の再生可能エネルギー、使い捨てプラスチックゼロ、埋め立てゴミゼロなど、ザ・レッド・シーとアマアラの主な特徴は、「最初に発表されたときは、野心的に聞こえたかもしれない。しかし、2040年までには業界全体の標準になると信じている」と、彼は付け加えた。

 

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