• カリード・アル＝ファリ投資相は、2020年上半期に506件の新規事業許可が付与されたことを発表した
• アル＝ジャダン財務相は、ロックダウンが終了したことで、いくつかのセクターに回復の兆しが見られると述べた

フランク・ケイン

リヤド：サウジアラビアの経済回復の初期の証拠は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックの影響に対処するための同国の戦略において難局に立たされている2人の大臣による声明という形で現れた。

同国のカリード・アル＝ファリ投資相は、今年上半期に506件の新規事業許可が付与されたことを発表した。6月には経済活動が活発化し、ロックダウンが世界的な投資活動を抑制した4月から5月にかけての落ち込みに対する部分的な埋め合わせとなっている。

同相は、「2020年上半期にサウジアラビア経済が示した回復力に勇気づけられました」と述べた。

彼はこう付け加えた。「6月のポジティブな経済統計は、サウジアラビア経済がCOVID-19の影響から立ち直りつつあり、海外投資の成長が近年見られた力強い勢いを取り戻し始めるという自信を与えてくれます」

一方、財務・経済計画相のモハメド・アル＝ジャダンはヴァーチャル会議で、今年上半期の終盤にかけてロックダウンや外出禁止令が終了したことで、いくつかのセクターが回復の兆しを見せていると述べた。

アル＝ジャダンによると、6月の国内観光事業は前年同期比18%の伸びを見せ、ホテルの占有率は、今年春に事実上ゼロであったのが85〜90%まで回復したという。

「経済を再開したために6月の結果は非常にポジティブだったのだと思います。回復しつつありますが、危機を脱したわけではないと肝に銘じ、慎重を期す必要があります」

慎重な楽観論を唱えるアル＝ファリは、「今年は間違いなく未曾有の挑戦の年であり、足元の経済の行方はウイルスにかかっています」と述べた。

投資省は、回復のより心強い証拠を強調した。「最近の他のデータもまた、第2四半期の終盤にかけた経済活動の持ち直しを示しています。このことは、サウジアラビアが慎重にいくつかのロックダウン措置を解除したことで、経済が重要な『追いつき成長』を果たしている可能性を示唆しています」と同省の声明は述べている。

同省は、4月と5月の急激な減少に続き、店舗取引が6月に前年比78.5％増の99億ドル（370億サウジアラビア・リヤル）と過去最高の水準に達したことを示したサウジアラビア通貨庁（SAMA）の数字を引用している。

同様に、産業鉱物資源省が発表したデータによると、新たに認可された産業工場の投資額は、4月と5月に急減速した後、6月には5億8,100万ドルに達した。

アル＝ジャダンは、COVID-19の発生は3月にサウジアラビア経済を「蒸気機関車のように」襲ったと述べた。「私たちにとって実際、想定外でした。100年の間で最も困難な年であり、世界の誰もが苦しんでいます」と、彼は金融情報会社ユーロマネーが主催するオンラインフォーラムで語った。

財務相は、ビジョン2030の改革が同国のパンデミックへの対応に貢献したと付け加え、SAMAやその他の金融機関の財政基盤の強さを強調した。

同氏は、パンデミックの経済的打撃を受けたことで約50カ国が格付け機関から格下げされたが、サウジアラビアは「安定した」状態を維持していると指摘し、国内の債券市場の回復力と、サウジアラビアの債券発行に対する国際市場の前向きな見方を強調した。

新規事業許可に関するデータでは、米国、英国、インドの企業が最大の割合を占めており、起業、教育、金融サービス、住宅、工業、製造、情報技術などに投資している。

アル＝ジャダンは、11月にリヤドで会合を予定している世界の指導者の組織であるG20が、ウイルスに対するワクチンの研究を含む医療プロジェクトのための資金調達を行っていることを称賛した。