
リヤド:サウジアラビアは、2023年の炭素循環経済(CCE)指数で上位20か国にランクインし、ほとんどの国が前年より指数のスコアを伸ばしたが、上位と下位の間には依然としてかなりの格差がある。
COP28期間中、リヤドのキング・アブドゥラー石油調査研究センター(KAPSARC)は、64か国を対象とする世界の経済活動の90%を示す指数を正式に発表した。指数は、ネット・ゼロ・エミッションの達成と炭素循環経済への準備に向けた世界の進捗状況を包括的に評価するものである。
ノルウェーはCCE指数で首位を獲得し、持続可能性の追求で世界をリード。イギリス、オランダ、カナダ、ドイツがこれに続き、環境に対する責任を強調している。
KAPSARCの気候専門家であるFatih Yilmaz氏は、 「二酸化炭素回収・貯留や水素といった重要な技術を利用拡大し、ネット・ゼロ計画に柔軟性をもたらそうとする国々の関心の高まりが見える」と語った。
しかし、マイナス面としては、サステナブルファイナンスやクリーンテクノロジーへのアクセスにおける格差が拡大し続けており、秩序ある移行に対する取り組みを阻害しかねないことを同氏は強調。
2023年のランキングは、再生可能エネルギーや原子力エネルギーなど二酸化炭素の排出を防ぐものといったさまざまな炭素循環経済技術の導入における上位国の成功を浮き彫りにしている。
さらに、これらの国々はクリーン水素や二酸化炭素の回収・利用・貯留といった新しい技術を採用している。
プレスリリースによると、これらの国々はまた、政策、技術、資金、ビジネス環境などの強力なイネーブラーを実証しており、世界的なベストプラクティスを高い水準に引き上げた。
逆にKAPSARCは、エチオピア、ウガンダ、タンザニア、ナイジェリア、カメルーンなどランキング下位の国々は、クリーンテクノロジーへのアクセスや利用を妨げる障害に直面していると指摘。
これらの発展途上国や低所得国は、財政的制約や技術格差に悩まされており、こうした格差を埋めるための早急な世界的協力の必要性が浮き彫りになっている。
KAPSARCのウェブサイトによると、CCE指数は次の2つの重要な副指数から構成されている。CCEパフォーマンスとCCEイネーブラーである。
各国は、両副指数について0から100までのスコアで評価を受け、そのスコアを集計して総合CCE指数のスコアを決定する。
この包括的なスコアは、現在のパフォーマンスと将来的な進展の可能性の両方を考慮し、炭素循環経済への移行を進める上での国の有効性を測るものである。
一方、CCEイネーブラーのスコアは、政策、技術、資金、ビジネス環境などの要素を考慮し、CCEの潜在力を引き出す準備態勢を評価するものである。