
リヤド:25日にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が発表した新しい国家バイオテクノロジー戦略は、ワクチン製造の国産化とサウジアラビア国民の健康増進が重要な目標の一つに掲げている。
サウジ通信社によると、新しいイニシアチブは同時に、環境保護、食糧と水の安全保障を達成し、本分野における世界的リーダーとしての同国の地位を確固たるものにすることを目的としている。
イニシアティブの主な焦点の一つは、ワクチン製造の国産化で、国内自給率を高め、国民がこれらの医薬品をタイムリーに入手できるよう保証することだ。
さらに、本プログラムでは、2040年までにバイオテクノロジー部門の非石油国内総生産への寄与度を3%とし、1300億サウジリヤル(346億6000万ドル)の累積的影響を与えることを目標としており、さらに何千もの質の高い機会と雇用を提供したいとしている。
これらのイニシアチブは、サウジアラビアのビジョン 2030 目標に沿ったものだ。
「サウジアラビアは MENA(中東・北アフリカ)地域における主要なバイオテクノロジー集積地としての地位確立を目指しているため、国産化とバイオ医薬品製造は本戦略を推進する上で極めて重要な役割をもつ。高度なバイオ医薬品製造能力を育成し、当地で一貫した最先端のバイオ医薬品製造プラットフォームを確立することは、極めて重要なステップとなる」とサウジ通信社は報じた。
本プログラムでは、ワクチン等4つの戦略的方針に重点を置き、ワクチン製造の国産化、輸出、当該分野における技術革新をリードすることを重視している。
さらに、バイオ医薬品の消費拡大と国産化を目指し、バイオ医薬品製造に重点を置いている。また、戦略では先駆的研究と遺伝子治療に焦点を当てたゲノミクスにも注目している。
最後に、植物分野の強化は重要な一面であり、自給率向上のための栽培改善への取り組みや、強化種子の技術革新をリードする取り組みをうたっている。
医薬品とワクチンの地域最大市場であるサウジアラビアは、バイオテクノロジー関連分野に戦略的に投資してきた。同国は、競争力のあるデジタル・インフラを整備する一方で、研究・開発・技術革新における自国人材の育成と訓練に力を入れている。
同国の遺伝的多様性と地理的気候は、複雑な研究や調査の実施にとって理想的な条件をそろえている。
戦略の目的は、規制を合理化し、適切なインフラを提供し、融資を提供することによって、自国内バイオテクノロジー産業を強化することだ。様々なプログラムやイニシアチブを通じて、本分野における民間投資家の取り組みを刺激することを目指している。
本国家戦略の立ち上げは、柔軟な規制環境と高度なインフラを提供し、官民セクターの統合を促進することを目的としている。