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新旧の100ドル紙幣に翻弄されるレバノン人

送金業者も古い紙幣の取り扱いを拒否しているという。(シャッターストック)
送金業者も古い紙幣の取り扱いを拒否しているという。(シャッターストック)
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09 Dec 2021 05:12:24 GMT9
09 Dec 2021 05:12:24 GMT9

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンの両替商は、「白紙幣」と呼ばれる古い100ドル紙幣の受け取りを拒否しており、特に100ドルの白紙幣を交換する際に5ドルの追加手数料を請求された人がいたことから、混乱が生じている。

特に、白い100ドル紙幣の中には銀行から渡されたものもあるため、このニュースの真偽を確認するため数十人の顧客が銀行に押し寄せた。

ある顧客はアラブニュースにこう語る。「銀行が私たちの預金を凍結してから、レバノン人は皆、万が一に備えて100ドル札の束を家に置いています。今の状況では、1ドルでさえも銀行に預けようとする人はいないでしょう」

「私は銀行に行って、両替商が採用したこの新しいルールについて確認してみました。私の娘の話によると、ある両替商は彼女が渡した100ドルの交換を拒否したそうです。誰がそのような権利を与えたのでしょうか?私も妻も子供たちも働いていて、稼いだお金はすべてドルで貯めています。これは、私たちの貯金が無価値になったということでしょうか?」

「銀行の支店長が言うには、問題は銀行ではなく両替商あるということでした。両替商は古い100ドル札を扱うのをやめるような指示はされていないし、逆に銀行は新旧両方の紙幣を使っていると。彼は私に、両替商の問題が解決するまで銀行に200ドルから400ドルを時々持ってきて、50ドル札に変えてはどうかと提案しました」と彼は語った。

ここ数日、世間は「旧・白」の100ドル紙幣と「新・青」の100ドル紙幣の話題でもちきりとなっている。

送金業者も古い紙幣の取り扱いを拒否したと言われている。この不透明な状況を利用して、白い100ドル札を交換する際に10ドルの手数料を課す両替商もいる。

混乱の発端は、最大級の資金輸送会社が、2019年10月17日(レバノンで金融危機が発生し、レバノン銀行がレバノン内外の送金を凍結したことを受けて)以降、海外への資金の密輸に関する司法捜査を受けて閉鎖されたことだと言われている。

レバノンの両替商協会の元代表であるマフマド・ムラド氏はアラブニュースに次のように述べている。「この流行は、1週間ほど前、レバノンの金融市場から始まっています。ただ、その出所も、誰が考案したのかもわかっていません。問題は、レバノンでは人々が何でも信じてしまうことでしょう」

「私のところにドル紙幣を買いに来る人は、今では青い色の紙幣しか受け付けません。私たち両替商は、新旧両方の紙幣を売買しており、何も変わっていないのです」と彼は続けた。

「100ドル紙幣が擦り切れたり破れたりしている場合は、私たちは人々からそれを買い取りはしますが、それをまた売ることはありません。その代わり、船会社に渡してアメリカに戻してもらい、真新しい紙幣と交換するのです」

「しかし現在、レバノンでは誰もが両替屋になっています。レバノン人も、シリア人も、スリランカ人も、ベンガル人も、スーパーのレジ係も、肉屋も、みんな両替をしています。このことで、両替商が非難されるべきではありません」

ムラド氏によると、両替商協会は水曜日に会合を開き、すべての両替商は顧客に対応する際、法的・道徳的なルールに従うことを確認した。

しかし、レバノン銀行は水曜日に発表した声明の中で、「一部の銀行や両替商が、100ドル紙幣を交換する際に、古い紙幣だと言って手数料を請求している」と明らかにした。

また、「有効な100ドル紙幣の仕様は、米国財務省傘下の機関であるアメリカ合衆国製版印刷局によって決定される」とし「有効なレバノン通貨の仕様はレバノン銀行のみが決定する」と記載している。

また、在レバノン米国大使館は水曜日、「米国政府の方針として、すべてのデザインの連邦準備券は、その発行時期にかかわらず、法定通貨、すなわち法的に有効な支払い手段であり続ける」と発表した。この方針には、1914年から現在までのすべての額面の連邦準備券が含まれると述べている。

一方、レバノン銀行協会(ABL)は、「一部の両替商が古い100ドル札で手数料を取ることが大きな問題となったことに関連し、ABLは、レバノンの銀行は既存の手続きを変更することなく銀行券を取り扱っていることを明確にします。白い100ドル紙幣を受け取っても、追加料金はかかりません」と発表した。

また、レバノンの送金サービス大手OMTはこう述べている。「私たちは白色の100ドル紙幣の受け入れをやめたわけではなく、状態が良ければ、どのセンターでも追加料金は発生しません。OMTでは、破れていたり、焼けていたり、黄ばんでいたり、一部でも破損している紙幣は受け付けておりません」

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