
(東京): 日産自動車は、コスト削減と資金節約の流れの一環として、提携企業のルノー及び三菱自動車と共同で運営するベンチャーキャピタルファンドから撤退する見込みだと、2名の消息筋が話した。
日産は今月末までにアライアンス・ベンチャーズファンドから撤退するかどうかについて正式に決定する予定だと、発表されていない情報のため匿名を希望する2名の日産の内部関係者が話した。
この予想される動きは、先週の提携会議で日産の従属的パートナーの三菱自動車が、今後ファンドに資金注入を継続しないと発言したことに続くものだ、と内部関係者の一人が話した。
このアムステルダムに拠点を置くファンドからの撤退の決定はほとんど確定事項だ、ともう一人の内部関係者は言い、「もちろん、わが社は撤退です。会社は火の車ですから。」と付け加えた。
日産の広報担当者は、この情報は憶測であるためコメントを控える、と述べた。三菱の広報担当者はまだ何も決定されていない、と言った。
この動きは、収益が下落した日産が、今度は最大のマーケットの中国で、コロナウイルスの大流行のために低迷に直面していることを受けたものだ。中国での売上は先月80パーセント落ち込んだ。
またこの動きは急速な業績改善を迫られる内田誠、新最高経営責任者の指揮下の日産のコスト削減の規模の大きさを強調するものでもある。
アライアンス・ベンチャーズの目的は、提携3社がスタートアップ企業への投資によって「学びの機会」を見つけることで、毎年3社から最大2億ドルを募ることになっているが、その満額に達することは決してない、と最初の内部関係者は話す。
このファンドは前提携リーダーのカルロス・ゴーンのもとで設立されたが、彼の日本での逮捕劇は、12月に幼年期の故郷レバノンへの逃亡で幕を下ろした。ゴーンは日本で所得の過少申告や会社資金の不正流用などの複数の嫌疑で告訴されているが、嫌疑を全て否認している。
ウェブサイトによると、このファンドは初期投資額2億ドルで設立され、2023年までに最大10億ドルを目指している。ポートフォリオ企業には、中国の自動運転タクシー会社のWeRide、クラウドベースの自動車販売プラットフォームのTekion Corpなどがある。
「ゴーンは利益を上げるためにこのファンドを設立したのではありません。スマートスタートアップ企業への投資から得られる学びの機会のためだったのです。」
「しかし今直面している厳しい財政状況を考えれば、投資利益を見てしまいますよね。」
(ロイター通信)