カイロ:AFP通信によると、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、イエメンの反政府勢力フーシ派による船舶への攻撃により、スエズ運河からの収入が今年これまでに「40~50%減少した」と述べた。
深刻な財政危機に陥っているエジプトにとって、運河は主要な外貨獲得源の1つである。
イランの支援を受けるフーシ派は昨年11月以来、アデン湾と紅海で船舶への攻撃を何度も行っており、戦争で荒廃したガザ地区のパレスチナ人との連帯を表明するため、イスラエルとつながりのある船舶を狙っていると主張している。
この攻撃により、いくつかの大手海運会社は、通常世界貿易の約12%を輸送する紅海の通航を停止し、船舶をアフリカ周りの海路に何千マイルも迂回させている。
「我が国のガザとの……国境で何が起きているのか見てほしい、エジプトに年間100億ドル近くをもたらしていたスエズ運河を見てほしい、(これらの収入は)40-50%減少しているが、エジプトは企業やパートナーに支払いを続けなければならないのだ」と、エルシーシ大統領は石油企業との会合の中で述べた。
国連は1月下旬、紅海と地中海を結ぶスエズ運河を通過する船舶の総数が、過去2カ月で42%減少したと発表した。
国連貿易開発会議によると、スエズ運河を通過するコンテナ船の数は前年同期比で67%減少し、タンカーの輸送量は18%減少、穀物や石炭を運ぶばら積み貨物船の通過量は6%減少し、ガス輸送は停滞している。
1869年に開通したこの工学上の偉大な達成である運河は、2022-23会計年度にはエジプトに約86億ドルをもたらし、輸入業者や両替商がドルの調達に苦労しているエジプトでは、観光や送金と並ぶ重要な外貨獲得源となっている。
AFP