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「MDLBEAST SOUNDSTORM」は「Tomorrowland」に対するサウジアラビアの答えだ

フェスティバルには50万人以上が参加し、「Tomorrowland」を超えて世界最大の音楽祭になった。(提供)
フェスティバルには50万人以上が参加し、「Tomorrowland」を超えて世界最大の音楽祭になった。(提供)
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20 Dec 2021 06:12:38 GMT9
20 Dec 2021 06:12:38 GMT9
  • この音楽祭は世界的に有名なミュージシャンやDJの豪華ラインナップで開催された

ハウラ・ガネム

リヤド:リヤドの日曜の夜、「MDLBEAST  SOUNDSTORM」フェスティバルの第2弾は大興奮のうちに終演を迎えようとしている。木曜日から始まったこのEDMイベントには4夜にわたって音楽ファンが集まり、エンターテインメント、ダンス、エレクトロニックチューンを休むことなく楽しんだ。

バンダナをまとった参加者たちが豪華で多彩なパフォーマンスを楽しむために世界じゅうから飛んできた。アフロジャック、ベニー・ベナッシ、ティエストら国際的に有名なDJや、ワエル・クフーリー、ナンシー・アジュラム、エリッサなどのアラブのスーパースター、地域のアーティスト、すなわち、ディッシュ・ダッシュ、コスミカット、サウードと共に地元のパフォーマーも出演者リストに名前を連ねた。

パンデミックで中止になった2020年を経て、「MDLBEAST」は今年のイベントを2019年の初回の「SOUNDSTORM」フェスティバルよりも豪華に大規模に実現し、失われた分を取り返したいという意欲をはっきりと示して見せた。

サウジのDJバルーとしても活躍する最高クリエイティブ責任者のアフマド・アラマリ氏がアラブニュースの取材に応えた。「私たちは熱意を持って仕事をしています。音楽だからです。音楽は本当にたくさんの愛を生み出すものですから。クリエイティブな分野で仕事をするのは楽しいですが、喜びを広げることはさらにワクワクします。クリエイティブに仕事をして喜びを広げるというのは最高の組み合わせです」

フェスティバルには50万人以上が参加し、「Tomorrowland」を超えて世界最大の音楽祭になった。

バルキース・アフメド・ファシ

「会場が広くて素晴らしくて度肝を抜かれました」と言うサウード・アール・サウード王子(25歳)はジェッダから姉のディーマ氏と一緒に参加した。「それにここはサウジアラビアではないような気がします。『Tomorrowland』に匹敵するのではないでしょうか」

「音楽はすごかったし、大勢が楽しんでいるのを見られるのも最高でした。ひとつだけ不満だったのは、会場までかなり歩かなければならないことです。一部の人の態度も気になりました。ひどくて、見ているだけで恥ずかしかったです」

デヴィッド・ゲッタ

ダウド・タビブサダ氏(28歳)はドバイから来たとアラブニュースに話した。「このフェスティバルはどんな想像とも異なっていました。セットアップから出演アーティストのタイプまですっかり驚かされました。プロダクションとパフォーマンスはとても素晴らしかったです。暴れている人もいましたが、フェスティバルではよくあることです。フューチャーのセットをとても楽しみにしていたのですが、残念ながら見逃してしまいました。でも、マーティン・ギャリックスがそれを補って余りある体験でした。とりあえず、来年の『MDLBEAST』にもぜひ参加したいと思います」と彼は付け加えた。

「サウジアラビア国外のフェスティバルにもいくつか行っていますが、率直に言ってこれはトップ3に入ります」とベイルートから来たウィダド・タレブ氏(24歳)は言った。「雰囲気は明るくて賑やかだし、食べ物もおいしいし、現場のスタッフもとても親切でした」

前回は6ステージだったが、今年はギネス世界記録を塗り替えた「ビッグビースト」ステージを含む8ステージでステージ数を増やしただけでなく、「2021 SOUNDSTORM」フェスティバルは食事のオプションや駐車場も拡張した。また、2019年に女性の参加者からセクハラを受けたとの憂慮すべき訴えがあったため、セキュリティが強化された。

今年、フェスティバルは「リスペクト&リセット」を導入した。すべての参加者が安全で尊重し合える環境をつくり、虐待やハラスメントの事例を通報しやすくすることを目的としたハラスメント防止の取り組みだ。

「女性にはチケットをもう少し安くして会場の比率が少なくとも40対60になるようにすればいいのにと思いました。ハラスメントの噂もあって、私自身はそのような経験はありませんが、来るのを怖がっている女性が多かったからです」とタレブ氏は言った。

初日は会場の往復シャトルバスが止まり、バンバン砂漠の真ん中で大勢の参加者が立ち往生する問題があり、不安を残すスタートになった。

しかし主催者は、その後3日間、駐車場を増やし、全種類のチケットの駐車場を、送迎を利用する乗り継ぎ駐車場から会場敷地内の駐車場に換えることでチケット所有者に完全に補償をし、確実にスムーズに入場できるようにした。

チケットのカテゴリーは、VIPボックスとテーブルサービスに加えて、3種類から選ぶことができた。

「ストームチェイサー」チケットは一般入場券で、「ストームブレイザー」には会場敷地内駐車場やメインステージのゴールデンサークル入場などの特典がついている。

また、「VIB」チケット所有者は一般の人は入れないVIPエリアにアクセスできる。そこではラウンジ、ダンスフロア、多彩な食事オプション、ライブダンスパフォーマンス、水タバコが用意され、世界で最も大きく高度があるステージ「ビッグビースト」を間近で見ることができる。

4日間を通して「ビッグビースト」には世界最高峰のミュージシャンやDJの豪華ラインナップが登場した。ティエスト、マーティン・ギャリックス、フューチャー、デヴィッド・ゲッタ、アーミン・ヴァン・ビューレン、スティーヴ・アオキ、ジェイソン・デルーロらだ。そしてスウェーデンのDJアレッソが月曜日の早朝まで参加者を踊り続けさせるエネルギッシュなパフォーマンスでイベントを締めくくった。「ビッグビースト」には、音楽界で最高の国際的アーティストたちがひとつのステージに集まっただけではなく、アムル・ディアブ、バルキース・ファシ、ターメル・ホスニー、ミリアム・ファレスなどアラブの人気スターたちもパフォーマンスを披露した。

「ビッグビースト」に加え、「SOUNDSTORM 2021」フェスティバルには大混雑のEDM会場「ダンスビースト」と「アンダーグラウンド」エリアもあった。メインストリームからやや外れた音楽を好む人向けのエリアだ。

エレクトロニックビートを離れて少し休みたいは、会場内に「MDLTOWN」セクションがあり、選び抜かれたアートギャラリーや衣類ショップを見て回ることができる。中でも「MDLBEAST」オリジナルの「BANIBEAST」は、サウジアラビア初の国産フェスティバルウェアブランドだ。

また、フェスティバル用メイクやキラキラをつけ直したい人のために化粧品販売業のセフォラも出店した。

「正直、想像していたものとは全然違いました。まるでリヤドが素敵な人気スポットに変わったかのようでした。自分が住んでいる国に観光に来たような気分になったからです。もっと規制だらけかと思っていたのですが、友人たちと久しぶりに楽しい時間を過ごせました。完全に想像を超えていました」とタレブ氏は言った。

彼女の声に共鳴するように、ドバイに住むソニア・アル・ソワイー氏(26歳)は言った。「サウジ人としてここまでできるようになったことを誇りに思います。たくさんの人が一緒に音楽を楽しむのを見てすごく嬉しくなりました」

わずか数年前のサウジアラビアでは想像もできなかった「MDLBEAST」の「SOUNDSTORM」の第2弾は、Vision2030が文化改革をかなりのスピードで成功させた証だ。ついにサウジの音楽ファンは、国際線に乗らずして好きなアーティストの生パフォーマンスを楽しめるようになったのだ。

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