マイアミ:サウジアラビアとマイアミのリーダーは、成長と人材のための環境を整備する取り組みにおいて共通点がある、と23日にマイアミで開催されたフューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)プライオリティ・サミットで専門家は強調した。
ここ数年、両地域とも、多様性と包括性を促進する社会経済政策に重点を置き、住民の生活水準の向上を目指した取り組みを優先してきた。
「ここ(マイアミ)で起きていることと、あちら(サウジアラビア)で起きていることには、多くの類似点があります」と、レストラン経営者でホスピタリティ企業メジャー・フード・グループのマネージング・パートナーを務めるジェフ・ザラズニック氏は言う。
「特別なソース:活気ある都市のためのレシピとは」と題されたセッションで、彼はこう付け加えた。「どちらの地域も、人々がそれぞれの分野で成長し(そして)能力を発揮できる環境を作っています。才能ある人材を惹きつけたいからです」
ザラズニック氏は、両地域が多様性と才能を地元で育む一方で、世界中から優秀な人材を誘致し、スポーツ、音楽、料理などさまざまな領域でそ彼らの可能性を育むことでバランスをとっていると指摘した。
サウジアラビアは「ビジョン2030」に沿って大幅な政策改革を行い、多様性と包括性を開発課題の最前線に据えている。
こうした政策転換は、特にこの機運に乗ってさまざまな産業でニッチを切り開こうと熱望するサウジの若者層にとって、極めて重要である。
マーケティング・エージェンシー「トランスレーション」と音楽レーベル「ユナイテッド・マスターズ」の最高経営責任者であるスティーブ・スタウト氏は、「若者に、自分にはできると楽観的に思わせることは、基本的に未来を作っていくことなのです」と語った。
「多文化主義、新たなサブカルチャーの受け入れ、そしてそれを支援するという考え方は、この都市が持つ(基本的な)要素であり、他には2、3の都市のみが実によく備えているものだと私は思っています」
同氏は、多様性・包括性の支援システムが欠如している地域は、成長と革新に必要なダイナミックで活気ある環境を整備できないため、最も優秀な若い人材を惹きつけることができないと強調した。
定年退職者の楽園として有名なマイアミは、近年変貌を遂げ、仕事と税負担の軽減を求める若い層を魅了している。
同様に、サウジアラビアは自国を単なる地域の拠点としてではなく、若い人材を世界中から惹きつける国として再定義するキャンペーンに乗り出した。
2022年の統計総局による国勢調査で人口が3,200万人を突破したサウジアラビアは、30歳未満が人口の63%を占める若者の国だ。
ザラズニック氏は、この2つの「ルネッサンス」に類似点を見いだし、活気ある都市の基準が進化していること、そして都市に住む人々の嗜好が変化していることを指摘した。
また、特に、多様な人材プールと革新的な環境を求める企業にとって、都市選択における文化的ダイナミズムと多文化主義の重要性が高まっていることを強調した。
マイアミ・ドルフィンズとハードロック・スタジアムの副会長、社長、CEOであり、F1マイアミ・グランプリのマネージング・パートナーを務めるトム・ガーフィンケル氏は、「ポイントは若者だ」と語る。
「若者を惹きつけること、そして、若者に住む余裕があり、ビジネスチャンスが存在し、起業や創造が容易な土地に文化的ダイナミズムがなければいけません」
「人材は、若い人材を惹きつける文化がある都市に集まる、だから企業はそこへ集まるのであって、その逆ではないのです」と、ガーフィンケル氏は締めくくった。