
日産自動車が下請け企業に支払う納入代金を不当に引き下げた下請法違反の問題を受け、賃上げに取り組んだ企業の法人税を優遇する「賃上げ促進税制」の対象から同社が外れたことが6日、分かった。最低1年間は税優遇を受けられなくなり、利益が減少する可能性がある。
賃上げ促進税制の適用を受けるには、適正な取引価格の実現を約束する「パートナーシップ構築宣言」を、政府などでつくる専用サイトで公表する必要がある。日産は、3月に公正取引委員会に下請法違反を指摘されたため同宣言を取り下げ、適用要件を満たさなくなった。資格を失うと、1年間は制度を利用できなくなる。
賃上げ促進税制は2024年度税制改正で拡充され、大企業は給与支払額が増えた分の最大35%が法人税から差し引かれる。日産は23年度に3.4%の賃上げを実施。24年春闘では5%の賃上げを労働組合に回答した。
JIJI Press