【グリーンズボロ（米ノースカロライナ州）時事】米国訪問中の岸田文雄首相は１２日午前（日本時間同日夜）、南部ノースカロライナ州でトヨタ自動車が建設中の車載用電池工場と、ホンダの米航空機子会社ホンダエアクラフトの工場を視察した。日本企業の対米投資による雇用創出をアピールする狙いがある。

視察後、首相は同州のクーパー知事との昼食会に臨み、両工場について「現代の日米のサプライチェーン（供給網）や先端技術の協力を象徴する取り組みだ」と強調した。　

首相はまずトヨタを訪問した。同社側は、これまでに約１３９億ドル（約２兆１３００億円）を投資し、２０２５年の工場稼働に合わせ５０００人以上の雇用を見込んでいると説明。北米法人の小川哲男社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は「日本、米国の揺るぎない信頼関係があってこその事業継続だ」と述べた。

首相はこの後、工場を一望できる高台に移動し、工事の進捗（しんちょく）状況などについて、身ぶり手ぶりを交えながら質問。時折、うなずきながら熱心に聞き入っていた。

次いで訪れたホンダは、小型ビジネスジェット機を開発・生産している。首相は、機体を組み立てる工程などを、同社幹部とともに見て回った。

首相はまた、現地に進出する日本企業の関係者と懇談。「日本の成長力強化のため、今後も企業の取り組みを力強く後押ししていく」と伝えた。

JIJI Press