東京/シンガポール:ロイター通信によると、原油価格は2日続落した後、上昇した。リビアをめぐる供給懸念が再びクローズアップされた一方、米国の原油在庫が予想より少なかったことから、需要に対する期待が後退した。
サウジアラビア時間午前9時5分までのブレント原油先物は15セント(0.19%)高の1バレル78.80ドル、米ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は27セント(0.36%)高の74.79ドルだった。
先週の米原油在庫が84.6万バレル減の4億2520万バレルとなり、ロイターの世論調査によるアナリスト予想(230万バレル減)を下回ったことを受け、両限月とも水曜日には1%以上のマイナスとなった。
OPEC加盟国であるリビアからの供給が途絶えることへの懸念は、市場にとってプラスであるとのアナリストもいる。
フィリップ・ノヴァのシニア・マーケット・アナリスト、プリヤンカ・サクデバ氏は、地政学的な懸念が高まる中、リビアの供給問題は原油市場を緊張させ、価格の下値を抑える可能性が高いと述べた。
リビアの一部の油田は、中央銀行の支配権をめぐる争いの中で生産を停止しており、あるコンサルティング会社は、数週間にわたり日量90万から100万バレル(B/D)の生産中断が続くと見積もっている。
リビアの7月の生産量は約118万B/D。
供給中断の長さは、10月のOPEC+の生産計画に波及する可能性があり、予想通り供給が緩和されなければ、原油市場にプラスの影響を与える可能性がある。
「リビアの供給停止が長引けば、OPEC+は現在の計画通り4Q24に供給量を増やすことに少し安心感を与えるだろう」とINGのアナリストはクライアントノートで述べている。
「このようなシナリオの下では、需要懸念がまだ残っているときに、市場に追加供給をすることに消極的になると思われる」
アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレ率が予想以上に低下し、失業率も上昇していることから、そろそろ利下げの時期かもしれないと述べた。
金利が下がれば借り入れも安くなり、経済活動が活性化し、石油の需要も増える可能性がある。
ロイター