半導体メモリー大手キオクシアホールディングス(HD、旧東芝メモリ)は8日、今年12月~来年6月に上場を目指すと明らかにした。東証による上場承認前に金融庁へ有価証券届出書を提出する方式を日本で初めて採用。市況を見極めつつ、早ければ年内の上場も模索する。
キオクシアHDは同日、金融庁に有価証券届出書を提出した。主幹事は野村証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、BofA証券。
従来は上場承認後に届出書を提出する必要があった。昨年10月に導入された「承認前提出方式」を採用することで、手続きにかかる時間を短縮し、承認前に投資家と対話ができる。
キオクシアHDは巨額の設備投資に備えて資金調達手段を多様化するため、今年8月に上場を申請。当初は10月中の上場を目指したが、市場環境の悪化で先送りした。上場が実現すれば、株主の米投資ファンド、ベインキャピタルや東芝は保有株の一部を売却する見通し。
8日発表した2024年9月中間連結決算(国際会計基準)は、純損益が1760億円の黒字(前年同期は1891億円の赤字)と上半期で過去最高となった。本業のもうけを示す営業損益も2919億円の黒字に転じた。生成AI(人工知能)の普及を背景にデータセンター向けの販売が好調だった。
時事通信