
日本の3月の製造業生産高と小売売上高は、コロナウイルスの世界的流行が経済全般を圧迫したことから、急落したとみられることがロイター通信の調査で示されている。
世界第3位の日本経済は、コロナ危機が始まって以来、輸出と国内需要が著しく減速し、景気後退に陥ったと広く信じられているが、アナリストたちは、感染爆発が抑制されている兆候が見られれば、今年後半にはいくらか改善すると予想している。
3月の工業生産高は前月比5.2%減となり、統計が比較可能な2013年以来、最大の落ち込みとなる見通しだと、16人のアナリストを対象にした調査で示されている。2月の生産高は修正され、0.3%減。
信金中金総合研究所の角田巧シニアエコノミストは「欧米の自動車販売の不振、サプライチェーンの混乱、先行き不透明感の高まりによる投資意欲の減退などにより、製造業生産高は大幅に減少したと予想されます」と述べた。
3月の小売売上高は前年同月比4.7%減と、2月の1.6%増から一転して、昨年10月の消費税増税以来、最大の落ち込みとなったことも調査で示されている。
農林中金総合研究所の南武志チーフエコノミストは、スーパーやドラッグストアは別として、「小売売上高の減少ペースは4月に加速するでしょう」と述べた。
通産省は4月30日、日本時間午前8時50分(GMT 29日23時50分)に製造業生産高と小売売上高を発表する。
調査によると、3月の失業率は前月の2.4%から2.5%に微増し、有効求人倍率は1.45倍から1.40倍に低下するとみられる。
農林中金総合研究所の南氏は「新型コロナウイルスの感染拡大により、ホテルや交通機関、飲食店などのサービス業が打撃を受け、労働需要もおそらく悪化した」と話す。
雇用統計は28日の午前8時30分に発表される。
調査では、石油製品を含むが生鮮食品の価格を除いた、東京都のコア消費者物価指数(CPI)が原油価格下落の影響で4月は前年同月比0.1%だけ上昇したことも示されている。3月は0.4%増だった。
東京のコアCPIは5月1日に発表される。
調査によると、アナリストたちは、27日の政策会議で日銀は短期金利をマイナス0.1%、10年物国債利回りを0%前後にとどめると予測している。
これとは別に、日本経済新聞が23日に報じたところによると、日銀は4月27日に開く次回の金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な景気後退を緩和するため、国債買い入れの上限を撤廃することを議論する。
今週実施された民間企業の調査によると、日本のサービス業は4月に記録的なペースで縮小した。新型コロナウイルス感染者の急増を受け、政府が1カ月の緊急事態宣言を発令した後、工場も全国的に静かになっている。
調査をまとめているIHSマークイットのエコノミスト、ジョー・ヘイズ氏は、経済は今四半期、年率10%以上で縮小するとの見通しを示した。
政府は23日、コロナ危機の影響が増大する中、過去10年間で最も厳しい経済見通しを出した。政府は、住民への現金給付を含む、記録的な1.1兆ドルの景気刺激策を発表した。
ロイター
3月の日本の製造業生産高と小売売上高はコロナウイルスの世界的流行の影響で急落したとみられる。