
ファイサル・フェイク
石油市場、特に、マイナス価格にまで下落し物議を醸した米国WTI指標にとって、史上もっとも熱狂的な一週間が過ぎた。
4月20日、WTI5月限は大引間近に1バレル=マイナス37ドルという信じがたい値段を記録したが、1バレル=16.94ドルにまで持ち直して終了した。
このような劇的な事態にも関わらず、米国指標は先週の終値よりも1ドル30セント安値で終了。
ブレント原油の値動きも同様に激しく、1バレル=16ドルの21年ぶりの安値に転落後、21ドル44セントまで回復した。
週末4月21日までに投資会社はブレント原油先物・オプションの買い持ちポジションを22,665枚増やし、ここ6週間で最大の134,119枚となった。
これらのオプション・先物のうちどの程度が物理的な引き渡しとなるのか、観察するのも興味深いだろう。
WTIは一時マイナス価格を記録したが、この一週間で、米国原油先物・オプションの買い持ちポジションは51,991枚増加、ここ3ヶ月で最大の209,734枚となった。これにより、米国の石油価格がいずれ上昇することが予想される。先週市場に起こった異変は、根本的な石油現物への需要と供給、そして石油ベースの金融商品の取引との間の断絶を改めて浮き彫りにした。これは、長い間投機に悩まされた業界を呼び覚ます声だろう。
世界がCOVID-19による隔離期間から抜け出せば、石油市場指標はおそらく回復するだろう。しかし、先週の混乱と、それが指し示すように、より透明性の高い国際的石油基準が今すぐに必要であることを忘れてはならない。