
政府は25日、次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)への出資額として、2025年度予算案に1000億円を計上すると明らかにした。同日開かれた次世代半導体の量産支援策を検討する経済産業省の有識者会議で示した。量産には巨額資金が必要で、政府出資を民間からの資金調達の呼び水にしたい考えだ。
ラピダスは27年の量産開始に向け、北海道千歳市で工場建設を進めている。政府は研究開発などに最大9200億円の支援を決めているが、量産までには5兆円程度の資金が必要となる。政府出資により信用を高め、課題である民間資金の調達を急ぐ考えだ。政府は25年後半に出資を行う予定で、同社の財務基盤の強化や量産に向けた製造装置の調達を支援する。
会議では、次世代半導体量産への金融支援を可能にする法案の骨格について議論した。金融支援は、出資や劣後債の引き受け、債務保証などを想定。これらの業務は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が新たに担う。今後IPAの業務を規定した情報処理促進法などの改正を検討し、25年の通常国会に法案を提出する。
また、出資の留意点についても触れ、企業の迅速な経営判断の足かせとならないようにするため、「政府による過度な経営への介入を避けること」とした。有識者会議の枠組みを活用し、支援事業者の選定や、企業が提出した設備投資の見込みなど事業計画の進捗(しんちょく)を確認する仕組みも検討する。
時事通信