
日銀の植田和男総裁は木曜日、世界経済の見通しには「非常に強い」不確実性があり、金融政策の設定には警戒が必要だと警告した。
南アフリカで開催された20カ国・地域(G20)財務相会合に出席した植田総裁は、米国の関税政策がどのように展開し、自国経済にどのような影響を与えるかについて、多くのメンバーが不確実性を共有しているようだと述べた。
「関税を含む米国の政策見通しや、他国がどのような反応を示すかについては、非常に強い不確実性がある。そのため、我々は動向を精査する必要がある」と植田氏G20会合後の記者会見で語った。
世界的な不確実性が日銀の金利決定にどのような影響を与えるかとの質問に対し、植田総裁は「そのうえで、(アメリカの政策が)世界経済、金融市場、日本の経済・物価見通しにどのような影響を与えるかを総合的に判断する必要がある」と述べた。
日本の堅調な経済成長と粘り強いインフレを示す最近のデータから、中央銀行が短期金利を現在の0.5%からさらに引き上げるのではないかとの期待が市場で高まっている。
日銀の利上げが近いうちに実施されるとの見方が市場で強まっていることが、円相場を押し上げ、通貨安が輸入コストの上昇を通じて家計や小売業者に与えている痛みに頭を悩ませている日本の政策立案者たちに安堵感を与えている。
政府はさらなる利上げによる円高を問題視していないことを示すため、日本の通貨外交トップの三村厚史氏は水曜日に、最近の円高と多くのポジティブな経済データとの間に不一致は見られないと述べた。
植田氏は最近の日本の長期金利の上昇についてはコメントを避けたが、国債利回りが異常に急上昇した場合、日銀は緊急の国債買い入れオペを実施する用意があることを繰り返した。
日銀は昨年、10年にわたる大規模な景気刺激策を打ち切り、短期金利を0.25%から0.5%に引き上げた。
日銀の政策担当者は、日本が2%のインフレ目標の持続的達成に向けて前進し続ければ、さらに金利を引き上げる用意があることを示唆している。
ロイター