
ソニーが13日発表した2020年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比5.5%減の8454億円と、3年ぶりの減益だった。主力のゲーム事業が不振に陥り、テレビやスマートフォンなどのエレクトロニクス事業も新型コロナウイルスの影響から販売は低調だった。
売上高は4.7%減の8兆2598億円、純利益が36.5%減の5821億円。営業利益、純利益とも過去最高だった前期から一転、大きく落ち込み、新型コロナは682億円の営業減益要因となった。
3月には英国とマレーシアの計3工場を停止。エレクトロニクス関連のサプライチェーン(部品供給網)の混乱は長引いており、映画・音楽事業では興行・コンテンツ制作休止に追い込まれている。21年3月期業績予想は合理的な算定が難しく未定としたが、上半期にコロナが収束した場合でも、3割程度の営業減益を見込んだ。年末商戦に投入する新型家庭用ゲーム機「プレイステーション5」の開発に影響はないという。
コロナ逆風下で好調を維持したスマホカメラ向け画像用半導体事業だが、今後はスマホ市場減速の影響も懸念される。ウェブ会見した十時裕樹専務は21年3月期の売り上げが「前期並みにとどまる可能性がある」と指摘。画像用半導体向けで7000億円に上る設備投資計画の2割程度について「可能な限り判断を延期する」と話した。
時事通信社