サウジアラビアは11月28日火曜日、リヤドでの2030年国際博覧会（万博）の招致で、万博の立候補と開催でより長い経験を持つ2つの強力な競争相手、すなわちイタリアと韓国に対し、勝利を収めた。この勝利は、1次投票で、博覧会国際事務局（BIE）の加盟国の3分の2を上回る賛成多数で決まったため、注目に値するものであった。BIEのディミトリ・ケルケンツェス事務局長は、総会の最後に、サウジアラビア代表団を率いるサウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣が出席した記者会見で、前例のない勝利であると述べた。

この場をお借りし、サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下に心からのお祝いを申し上げる。また、サウジアラビア国民に祝意を表するとともに、サウジアラビアの招致を支持し、その支持を表明したすべての方々、とりわけ友好的なフランス共和国に心からの感謝とお礼を申し上げたいと思う。

2022年7月のムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下のフランス訪問の最後に発表された声明では、リヤドの2030年万博開催の招致に対するフランスの支持が確認され、フランスは投票段階までこの支持を表明し続けた。また、かなりの数の友好国のリーダーたちも、この招致への支持を表明した。

この偉大な勝利は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下があらゆる段階で綿密にフォローし、自ら監督した広範な取り組みの結果であったことは注目に値する。この取り組みは2つの面に焦点を当てた。このイベントを開催する王国とリヤド市の能力を強調し、招致書としても知られる包括的で強力な立候補書類を提示することが第1の焦点だった。これまで、主要国が、提出書類の不備や、世界各国のパビリオンを含む万博を開催する能力、および6カ月間にわたり数千万人の万博来場者を無理なく円滑に受け入れ、収容する能力に対する信頼の欠如によって、開催地選考に敗れたことがあったため、このことが重要な役割を果たしたことは間違いない。

BIEのサウジアラビア代表として、私はBIE事務局長と展示会部門での経験を持つ加盟国の代表複数名で構成される技術チームに同行する機会を得た。チームは3月にリヤドを丸1週間訪問し、その間に数多くのミーティングが行われたが、中でも最も重要だったのは、皇太子殿下や万博に関わるさまざまな閣僚とのミーティングだった。チームはまた、いくつかのワークショップに参加し、開催予定地の現地視察を実施し、リヤドのインフラと「ビジョン2030」の下で進められている巨大プロジェクトを綿密に調査した。そのプロジェクトの中には、建設、公共交通機関、社会・観光サービスの分野で完成間近のものもある。訪問後、チームはBIEの関連委員会に詳細かつ包括的な報告書を提出し、BIE加盟国は昨年の総会でそれを検討し、リヤドの万博開催の適格性と能力を承認した。

皇太子殿下が強調した第2の面は、コミットメントであった。皇太子殿下は、王国の立候補について伝える責任者たちに対して、この万博が真に世界発の、そして世界のためのグローバルな博覧会になると断言した。皇太子殿下は、リヤド万博に採用されたテーマである「リヤド万博2030：変化の時代：先見性ある明日へ共に」について説明する必要性を強調した。この万博は、世界のすべての国との集合的な旅を表すものであり、安全保障と安定における共通の利益に奉仕し、協力と理解の価値を高め、持続可能性と環境改善を促進し、共通の課題に立ち向かうものであることを明確にする必要がある。

これこそが、王国のキャンペーンに携わるすべての人が取り組んだことであり、私自身もパリで2年以上にわたり、フランスにいる加盟国のすべての大使や代表、BIE事務局とともに取り組んだことだ。また、サウジアラビアが万博の招致に成功した場合、持続可能性と環境への配慮がサウジ万博の活動の骨格を形成すること、環境と気候変動の専門家の勧告に従って排出量に真剣に取り組む最初の万博になることが強調された。サウジアラビアは近年、再生可能なクリーンエネルギーへの移行という環境目標で良好な経験を積んでおり、2030年までに王国全土に6億本の木を植えることを目標とした「サウジ・グリーン・イニシアチブ」という広範な計画が昨年発効した。さらに、より広範で野心的なイニシアチブである「中東グリーン・イニシアチブ」は、その発足以来、高い評価を受けている。

これは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下があらゆる段階で綿密にフォローし、自ら監督した広範な取り組みの結果であった。

これらすべてのことが、投票に参加した国々の間にこの類まれな結果に対する明確な確信を築き、サウジアラビアがこの特別なイベントの開催権を獲得することに貢献したことは間違いない。専門家は、万博の開催は、ワールドカップやオリンピックなどの主要な国際イベントと比較して、その見返りや開催国にとっての経済的、文化的、観光的な役割を考慮すると、国が開催できる最も重要なイベントであると考えていることに留意すべきである。他のイベントと比較して際立っているのは、万博が6カ月以上にもわたって開催され、国籍、年齢、職業、文化の異なる何百万人もの人々が訪れることだ。具体的には、リヤド万博2030は2030年10月初旬から2031年3月末まで開催されることが提案された。

疑いもなく、この招致運動は、そのメカニズムとアプローチにおいて、重要な国際的地位や開催国への立候補と類似した外交的選挙運動であった。従って、王国のキャンペーンを主導する上で最も重要な役割を果たしたのは外務省であり、外務省のファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣とそのチームは、立候補計画の策定と支援の動員に多大な努力を払った。大臣は、兄弟国や友好国の外相と何度も会合を開き、コミュニケーションをとるとともに、世界のあらゆる地域や文化をカバーする王国の大使館を通じたコミュニケーションを強化した。他の大臣も、それぞれの領域内で同様の努力を行った。

こうした努力が勝利につながり、王国の指導部によるサウジ外交への強力な支持と、その信頼性、世界各国との緊密な結びつきが示された。投票前には、3分の2を超える多数の国がサウジアラビアに投票する意向を公然と表明し、サウジアラビアが大きな勝利を収めることが明らかになった。そして、無記名投票によって行われた投票プロセスにおいて、この大勝利を達成した。総会は、投票参加国の最大限の独立性と公平性を確保し、万博開催に伴う政治化や否定的な圧力を回避するため、投票プロセスを秘密にすることにこだわった。

招致レースに勝利し、2030年万博開催に対する国際社会の支持を確認した今、実際の開催段階がスタートする。BIEの規定では、万博は開催権を獲得してから1年以内に登録され、開催予定日の5年前に完了させることが義務付けられているため、まずは登録段階から始まる。登録には、万博のすべての主要な要素、特に管理、財政、法的側面、万博のテーマとその推進計画、万博で行われる文化プログラムやイベント、会場のマスタープラン、プロモーションとコミュニケーション計画、万博の商業戦略などが含まれる。加盟国は、BIE事務局と連携して登録書類を審査し、その後、執行委員会の審査を経て、総会によって承認され、正式に登録される。これにより、完成に必要な技術的な作業や建設の段階が始まる。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が祝辞で述べたように、リヤドでの万博開催は、機会への最適な投資と、地球が直面している課題に対する解決策の提供を目的とした、前例のない特別な万博を提供する機会となる。さらに、「サウジ・ビジョン2030」の実現に伴う王国の前例のない変革の旅から学んだ教訓を世界と共有することも目的としている。ファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣がパリでの投票終了時の記者会見で述べたように、王国は、リヤドでの万博開催を強く支持した国々の信頼に応えるべく、努力していく。万博開催に関して、王国は、多くの場合、約束された通常の限界を超えて、常に明確な能力と信頼性を示し、義務や任務をうまく履行してきた。

私は、王国の指導者とサウジアラビア国民に対して、この素晴らしい勝利を改めて祝福する。また、王国の招致を支援してくれたすべての友好国にも改めて感謝の意を表する。支援と援助を提供してくれたすべての同僚、大使、友好国の代表者にも感謝を申し上げる。また、この2年間、事務局の規則、条約の規定、王国の申請書類と立候補に関する書類を必要な方法で作成するためのメカニズムを理解する上で、私や同僚に多大な支援を提供してくれたBIEのディミトリ・ケルケンツェス事務局長とそのチームにも感謝とお礼を申し上げたい。また、大使館の同僚や、外務省やその他の関係当局で立候補キャンペーンを担当したサウジチームのメンバーにも感謝を表したい。その中には、有能な若い男女も含まれており、彼らは献身的に、チームスピリットを持って働き、今回の成功に貢献した広範で称賛に値する努力を払ってくれた。

世界発の、そして世界のための万博であるリヤド万博2030で皆様にお会いできるのを心待ちにしている。一緒に世界を未来を見つめよう。

•ファハド・M・アル・ルワイリは、駐仏サウジアラビア大使である。X（旧ツイッター）：@Fahadalrwaily