
アラブニュース
ロンドン: サウジアラビアの銀行は、新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた経済的ストレスを乗り切るのに十分な資本を保有するものと予想される、とS&Pは述べた。
国や企業の信用力を評価する格付け機関のS&Pは、金融機関が負担するリスクのコストが上昇し、純金利収入が減少する可能性は高いとしても、サウジアラビア王国の銀行部門はコロナウイルスの影響に対処するうえで有利な立場にあると見ている。
「純利ざやは低下していますが、低下の程度は大半の同業者に比べればましな方で、サウジアラビアの銀行はこのストレスを吸収するのに十分な余力を持っていると考えています」とS&Pは述べた。「収益性の低下が予想されるにもかかわらず、当機関のベースケース・シナリオによれば、ほとんどのサウジアラビアの銀行が2020年から2021年にかけて収益性を維持する見込みです」
また、サウジアラビア通貨庁(SAMA)による資本要件の緩和を受けて、住宅ローン貸出も今後数年で増加すると予想されるともS&Pは述べている。
中東湾岸諸国の銀行は一般に強固な資本基盤を有しており、高い金利の支払いが発生しない預金を比較的多額に保有しているため、経済ショックに対処するうえで有利な立場にある。格付けされたGCCの銀行は、資本基盤が枯渇しはじめる前に、追加の信用損失による最大360億ドルのショックを吸収できるとS&Pは予測している。
一部の金融機関の収益性はパンデミックの影響で低下する可能性があるが、大半のサウジアラビアの銀行は2020年から2021年にかけて収益をあげ続ける可能性が高いとS&Pは述べた。
S&Pによれば、サウジアラビアの銀行は信用損失からの回復力がこの地域で最も高いのに対して、バーレーンの銀行は、金融機関を支援する政府の能力が限られているため、回復力が最も低い。