
日産自動車が、世界全体で2万人規模の人員を削減する方向で検討していることが22日、分かった。国内では生産体制の見直しに踏み込む可能性もある。新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が悪化していることから、構造改革を加速して収益性の改善を急ぐ。
日産は、前会長カルロス・ゴーン被告が推進した規模拡大路線の失敗で業績が急激に悪化している。昨年7月には、世界の従業員の1割に当たる1万2500人超を削減する方針を発表した。販売台数の減少に歯止めがかからない中、コロナ禍が重なり、さらなる削減が避けられないと判断した。
人員削減の規模は、ゴーン被告が1999年の経営再建計画「日産リバイバルプラン」で打ち出した2万1000人に匹敵する。
日産は人員のほか、不採算工場の閉鎖などで過剰な生産能力も削減する考え。28日に2022年度までの中期経営計画を公表し、再建のシナリオを説明する。
同時に発表する20年3月期連結決算は、11年ぶりの純損失に陥る。現時点では1000億円弱の赤字の見通しだが、リストラ関連費用の計上で損失が膨らむ可能性がある。
JIJI Press