
シンガポール:火曜日、主要な原油消費国である米国と欧州連合(EU)の間で激化する貿易戦争が経済活動を鈍化させ、燃料需要の伸びを抑制するとの懸念から、原油価格が下落した。
ブレント原油先物はサウジアラビア時間午前8時58分現在、28セント(0.40%)安の1バレル当たり68.93ドル。米国ウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油は37セント(0.55%)安の1バレル当たり66.83ドル。両指標は月曜日に小幅安で取引を終えた。
8月限のWTI契約は火曜日に期限切れとなり、より活発に取引されている9月限契約は29セント(0.44%)下落し、1バレルあたり$65.66となった。
「世界的な貿易摩擦の激化に伴い、広範な需要懸念がくすぶり続けている。特に、主要経済国間の新たな関税脅威や、8月1日の期限を控えたトランプ氏の発表に市場が注目している」と、Phillip Novaのシニア市場アナリスト、プリャンカ・サッチデバ氏は述べた。
「投資家はまた、米国がロシア産原油に対して新たな制裁措置を講じたことの影響にも注目している」と彼女は付け加えた。
供給懸念は、主要産油国が生産量を増加させたこと、および6月24日にイスラエルとイランの衝突が停戦合意で終結したことで、おおむね緩和されている。しかし、投資家は米国の貿易政策変更を背景に、世界経済への懸念を強めている。
米ドル安は、他の通貨で取引する買い手が相対的に少ないため、原油価格を支える要因となっている。
IGの市場アナリスト、トニー・シカモア氏はメモで、「貿易戦争の懸念が米ドル安による支援を相殺し、価格は下落した」と述べた。
シカモア氏はまた、関税をめぐる米EU間の貿易紛争が激化する可能性にも言及した。
EU外交筋によると、EUは、米国との受け入れ可能な貿易協定の締結の見通しが薄れる中、米国に対するより広範な対抗措置を検討している。
米国は、合意が成立しない場合、8月1日にEUの輸入品に30%の関税を課すと脅している。
石油輸出国機構(OPEC)とその同盟国が生産削減を緩和する中、原油供給の増加が市場に流入している兆候もある。
サウジアラビアの5月の原油輸出は、合同機関データ・イニシアチブ(Joint Organizations Data Initiative)が月曜日に発表したデータによると、3カ月ぶりの高水準に達した。
ロイター