
Frank Kane
ドバイ:サウジアラビアとロシアが産油量減産の延長に合意、他の産出国等と協調し約束水準厳守に厳しい方針で臨む。
OPECプラスの会合に先立ちアライアンスの最大産油国の両国は、合意済みの産油量ガイドラインを厳守せねば原油価格が史上最低を記録した4月の混乱状態に市場が戻ってしまうリスクを冒すことになると他の加盟各国に話している。
あるOPEC派遣団員がArab Newsに話すところでは、史上最大の970万バレルの減産を最短でも1ヶ月間延長し、毎月状況を検討していくことでサウジアラビアとロシアは合意済みだが、全OPECプラス加盟国が約束済みの産油量水準を守ることを条件としている。
「サウジアラビアとロシアの間に対立は全く無い。両国は取り決めを貫こうとしており、全OPECプラス加盟国にも協調するよう圧力をかけようとしているのだ」と派遣員は話す。
その他OPECプラス加盟国は4月に決まった減産の期間延長を守ることに前向きと考えられている。ナイジェリアとイラクは遵守への取り組み強化の提案を検討中だ。
OPECプラスの「バーチャル」会合は公式日程通りであれば6月9日に開催予定だが、それを待たず緊急開催される可能性もまだある。サウジアラビアには自主的に実施している100万バレルの追加減産という追加交渉材料があり、今月末には合意水準に戻す可能性もある。
原油価格は今週のブレント原油で1バレル = 40ドルの高値が付いたが、減産延長期待が一因であり、ここに来ての先行き不透明感を反映し1バレル = 39ドルを少し超える水準に戻っている。
石油業界の専門家は長期的なOPECプラスの協定を狂わせるような交渉にはならないと考えている。「協定遵守は常に課題ではあるものの、誰もが不安定は避けたいと望んでいる」とQamar EnergyコンサルタンシーのRobin Mills氏は話す。「数週間前の水準からすれば、40ドルというのは非常に大きな成果なのです。」