
アラブニュース
ロンドン: 新たな購買担当者指数(PMI)データによれば、アラブ三大国の最悪の状況はどうやら終わった模様。
ビジネス状況の悪化は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトにおける ロックダウンが緩和され始めるにつれ、5月に入って減速しているが、同時に一部の企業は経費節減を開始している。
HISマーキットの新たなPMIデータによると、非石油民間部門は同三国においてビジネスが上向いている。それでもなお、これら三大国全ての業績が、経済拡大と景気後退との分岐点となる50ポイントを下回ってはいる。サウジアラビアの PMIは4月の44.4 から5月には48.1 へ、UAEは 44.1からは46.7 へ上昇した。
しかしエジプトは29.7から40.7へと最も大きな好転を記録した。
ペルシャ湾沿岸諸国は、消費者の出費と自信を落ち込ませたコロナウィルスによるロックダウンと、サウジアラビアやUAE などの主要原油輸出国の歳入に打撃を与えた石油価格の低下という二つの大打撃を受けた。目下ペルシャ湾地域最大の観光国ドバイ首長国では、訪問客の足が遠のき、大きな収入減となっている。
PMIデータは国際金融協会による同地域の悲惨な経済評価に続くもので、国際金融協会は6月2日(火)、湾岸協力理事会(ICC)加盟6カ国が史上最大の経済危機に直面していると発表した。
また全般的な実質国内総生産(GDP )は今年4.4%に縮小するだろうとも言っている。
サウジアラビアはパンデミック対応として付加価値税を3倍にし、資本支出を削減し、生活費手当をカットした。
「サウジアラビアのビジネス状況は5月に再び悪化したが、悪化のスピード自体は4月の調査記録でみるペースよりも若干ましになっています」とIHS マーキットのティム・ムーア経済部長は言う。「一部の企業は、ロックダウン対策の緩和がオンラインビジネスの活況努力と合まって、5月の景気の落ち込みを抑制したことを実感しています。それでもやはりビジネスの倒産や営業規制によって、非石油民間部門全般にわたる営業活動が打撃を受けたという広範な報告がされています」
IHS マーキットによると、経済見通しへの懸念と経費削減の必要性から、2009年8月に調査が開始されて以来最大規模の従業員給与カットが行われているという。
経済への強い逆風が吹き荒れているにもかかわらず、サウジアラビア通貨当局からの新たなデータを見ると、同国の貸付活動は活気が維持されている。住宅ローンの貸付は2020年の第1四半期には前年比で5分の1以上の伸びを見せた。