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シルク・ドゥ・ソレイユがパンデミックで綱渡り

パンデミックによるロックダウン規制が緩和し、シルク・ドゥ・ソレイユは中国で公演を再開した。(ゲッティイメージズ)
パンデミックによるロックダウン規制が緩和し、シルク・ドゥ・ソレイユは中国で公演を再開した。(ゲッティイメージズ)
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06 Jun 2020 08:06:51 GMT9
06 Jun 2020 08:06:51 GMT9

モントリオール---- シルク・ドゥ・ソレイユのショーはCOVID-19の影響でキャンセルになり、既に巨額の負債を抱えている同社の生き残りをかけた奮闘で、カナダの文化的象徴を救おうとする激しい舞台裏の闘いが起こった。

売却先の有力候補は元火喰い芸の大道芸人、ギー・ラリベルテ氏である。彼は1984年にこの曲芸団を設立したものの、後に売却した人物だ。

60歳の彼は、自分の創造したものが私益のために売却されることを回避することを決心し、「サーカスの再開は適正な価格で行うべきだろう。そして、何を犠牲にしてもよいというわけではない」と話した。

億万長者の道化師は「慎重に検討」してから、「すばらしいチームとともに」入札を検討することを決めたが、詳細は明らかにしていない。

彼の指導力のもと、同サーカスは世界中で300以上の大がかりな公演を行い、ありがちなライオンや象、熊の曲芸ではなく、音楽に合わせた現代的なサーカスで観客を楽しませていた。

そしてパンデミックが起こり、同社は3月に、ラスベガスからテルアビブ、モスクワ、メルボルンなど、世界中で44公演を中止せざるを得なくなり、さらには4,679名の曲芸師や技術者、言い換えれば、労働者の95%を一時解雇せざるを得なくなった。

エンターテイメントの世界的大企業でカナダの誇りでもある同社は、急速に破産に向かう中、売却などを視野に入れた選択肢を吟味するため、5月の初めに銀行に対応を依頼した。

一方、株主らは、「手元流動性の需要」から、つなぎ融資で5,000万ドルを決済した。

2009年に道化師として初めて国際宇宙ステーションに滞在したラリベルテ氏は、2015年にシルク・ドゥ・ソレイユの所有権を10億ドルで売却している。

同社はそれ以降、米国の投資会社、TPGキャピタル(株式の55%)と中国の復星国際(株式の25%)の手に渡った。復星国際はクラブメッド社やトーマス・クック社も所有している。残りの20%の株式は、ケベック預金投資年金ファンドが所有している。

ケベックで公的年金制度および保険制度を管理している機関投資家が2月のパンデミック発生の直前に、ラリベルテ氏が所有していたこの事業の最後の10%の株式を買い取った。

ケベックの報道によれば、2015年以降、同社は常設公演施設の高額な買収と改装に乗り出し、その一方で、創造の精神は萎えていった。

そうしているうちに負債は10億ドル以上にまで膨らんだのだ。

ケベック州政府は、同社の「対外利権への売却」を恐れ、最近になって2億ドルのひも付き融資を申し出た。大規模集会の規制が世界的に緩和し始めたことから、ショーの再開を援助するためである。

しかし、原則的合意には条件がある。それは、ピエール・フィッツギボン経済相の発言によれば、同社の本社がケベック州に残り、将来のどの時点においても、米国や中国が所有する同社の株式をケベック州が「市場価格で」、「おそらくは地元のパートナー」とともに買い取る権利を持つことである。

「ケベック州はサーカスの運営を望んでいるわけではありませんが、同サーカスはケベック州にとってあまりにも重要なのです」と彼は話した。

ラリベルテ氏の他に想定される買い手としては、実業界の大物であるピエール・カール・プラドー氏の電気通信業およびメディアの大手、ケべコア社があるが、プラドー氏の当初の安値での入札は即座に却下された。

「同社への興味をそそったのは基本的にはブランドの価値と名声です」とモントリオールのコンコルディア大学マイケル・マグナン企業ガバナンス教授は述べた。

しかし、「集会の規制が続く限り、同社にとって未来はそれほどバラ色ではありません」と彼は話した。

マグナン教授によれば、いくつかの試練が待っている。

「これらすべての公演でたくさんの人が仕事をしています。彼らは今どこにいるのでしょうか。何をしているのでしょうか。どうしているのでしょうか。彼らのコンディションはどうでしょうか。その心境は?」と彼は話した。

「時間の経過とともに専門知識が消滅する危険性も高まります。」

わずかな救い---- 中国杭州市におけるコロナウイルスのアウトブレイクから5ヶ月が経過し、シルク・ドュ・ソレイユは同市で公演を再開した。

AFP

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