
NTTとNECは25日、次世代通信規格「5G」技術の共同開発に向け、資本業務提携すると正式発表した。NTTがNECに644億円を出資する。車の自動運転や遠隔医療などを支える5Gインフラをめぐっては、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)など海外勢に出遅れており、国産連合で巻き返しを図る。
NTTはNECが来月10日に予定する第三者割当増資を引き受ける。NTTの出資比率は4.8%で、NECの第3位株主となる。両社は、国内で3月に商用化が始まった高速大容量の5G通信回線を制御する基幹装置などの開発に取り組む。
NTTの澤田純社長はオンライン記者会見で「信頼できるパートナーと、日本発の付加価値の高い技術を開発する」と強調。中長期的な視野で研究開発に取り組む考えを示した。NECの新野隆社長は「(先端の基地局分野で)世界トップシェアを目指す」と意気込みを語った。
両社は5Gの最大10倍の速度を持ち、2030年ごろの実用化が期待される「6G」を見据え、NTTの光技術による新たなネットワーク構想「IOWN(アイオン)」でも協力する。
NTTは3月、トヨタ自動車と相互に2000億円を出資し、自動運転車や住宅設備などをインターネットでつなげる近未来都市「スマートシティー」開発で提携すると発表。NECは楽天と、5G関連技術の共同開発を進めており、国内勢の連携が加速している。
JIJI Press