
ファイサル・ファイク
ブレント原油の価格は上昇し、週の終わりには1バレルあたり43.24ドルになった。WTIもまた40.55ドルに達した。
過去2か月間、石油価格はわずか3ドルから4ドルと非常に狭い範囲で変動しており、今週にはその変動幅が数ドルから数セントへとさらに絞られた。
それに応じて、米国エネルギー情報局(EIA)は2020年後半のブレント原油の価格見通しを1バレルあたり41ドルに引き上げた。これは、先月よりも1バレルあたり4ドル高くなっている。
さらに重要なのは、史上最大の石油需要ショックを受けてOPEC +が打ち立てた歴史的な生産削減が、市場のバランスを取り戻すためにうまく機能していると、最新の原油価格の動向から確認されたことだ。
OPECは、6月の粗産出量を1日あたり2231万バレルに抑えた。これは1990年9月以来、組織における最低総産出量だった。
これらの削減は高い順守率を達成したようで、市場を健全に保つのに大きく貢献している。
しかし、消費者が最近の市場の安定から恩恵を受けている一方で、市場の不安定を愛する投機家にとってはそうではない。
その代わりヘッジファンドは、パンデミックの打撃を強く受けた航空会社やクルーズ会社、銀行、その他のセクターに注目している。
相場が依然として弱気なので、これが原油価格の上昇を支持することはないだろう。
現物市場では、硫黄含有量の多いサワー原油の取引価格が低硫黄のスイート原油にどんどん近づいている。高硫黄の原油は供給不足の兆しを見せており、ブレント原油には記録的なプレミアがついている。
コロナウイルスの感染症例は米国で増え続けており、石油市場にとって大きな脅威である。
ブレント原油のドバイ原油に対するプレミア価格は今年に入って大幅に縮小し、3月には初めてペルシア湾の原油よりも低値にまで転じた。
同時に、WTIとつながっている米国のシェールオイルの価格は比較的高いままである。