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国際通貨基金(IMF)によると、世界経済は予想以上に速く回復している

今回IMFは今年の世界的国内総生産の落ち込みを4.4 %と予測する。(ファイル/Shutterstock)
今回IMFは今年の世界的国内総生産の落ち込みを4.4 %と予測する。(ファイル/Shutterstock)
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14 Oct 2020 04:10:33 GMT9
14 Oct 2020 04:10:33 GMT9
  • IMFがサウジアラビアの景気後退規模を下方修正する
  • The IMFはサウジアラビアの経済予測についても修正し、今年の縮小率を4%と予測する

フランク・ケイン

ドバイ:10月13日(火)、国際通貨基金(IMF)は、世界経済がCOVID-19 のパンデミックによる打撃から予想以上に速く回復しつつあると発表した。

今回IMFは今年の世界的国内総生産の落ち込みを4.4 %と予測しており、これは5.2 %という6月の予測よりも改善され、2021年には5.2 %の回復を予測する。

また、IMFはサウジアラビアの経済についても予測を修正した。今回IMFは、サウジアラビアの今年の経済縮小率を5.4 % と予測し、今夏の6.8%という予測から大幅に改善している。IMF は来年度のサウジアラビアの経済成長を横ばいと予測する。

サウジアラビアの政府高官らは同国に対するIMFの悲観的予測を覆したことになる。

IMF の経済参事官兼調査部長ギタ・ゴピナス氏は次のように言う。:「2020年の不景気が深刻なものであることは間違いないが、我々の6月の予測よりは幾分改善している。この予測修正は経済先進国における第2四半期の国内総生産を基にしたもので、当初の予測ほどひどいものではなかった」

この上向きの見通しには、予想以上に好調な中国の経済成長の回復と、第3四半期の急速な景気回復の兆候も、その要因となっている。

中国は今年大幅な経済成長が見込まれる唯一の国で、国内総生産が1.9 %上昇し、2021年には8.2 %という大幅な成長が予測されている。米国は今年4.3 %落ち込み、2021年には3.1 %の回復が見込まれている。

IMFで同じグループに分類されている中東と中央アジアについては、今年5.7 %の経済縮小が予測されているが、3.2 %に修正される見込みだ。

IMFによると、世界経済の回復は「時間のかかる困難な道のり」となり、特に世界の一部の貧しい地域 においてはそれが顕著となるだろうと警告する。「世界経済は回復に向かっているが、その経過はゆっくりとした不規則で不確実なものとなるだろう。実際、我々の6月の予測と比較すると、感染が急速に増大している一部の市場や発展途上国においては、比率が大幅に悪化している」とゴピナス氏は言う。

IMFは2020年の原油価格について、前年比32% 安の1バレル$41.7、2021年には$46.7に回復すると予測したが、「高まる不確実性」により、その予測にも陰りが差しているという。

「価格上昇へのリスクとしては、中東における地政学的活動の活性化、パンデミックの早期収束、石油と天然ガスの探査投資の大幅削減、そしてエネルギー部門における倒産企業の増大が含まれる。一方、価格下落への最大のリスクとしては、大量の在庫が懸念される中で世界の経済活動が再び低迷することだ」とIMFは言う。

「 OPEC プラス加盟産油国間の連帯が弱まっていることによって、世界の石油供給にリスクが生じている。3月に見られたような石油価格の急落が再び起これば、石油輸出国の活動に多大な影響を及ぼし、予想を下回る成長率につながるだろう。」

経済回復のスピードは、感染の「第二波」によって減速される可能性があり、IMFは次のように言う。:「国内感染を低レベルに抑制してきた各地でCOVID-19感染が再び拡大すれば、経済活動の再開が中断され、地域別の閉鎖が再び強いられることになる。パンデミック前の活動レベルに戻るには、どの国でも困難が伴う」

ほとんどすべての国で実施された大規模な景気刺激策と、世界市場における金融危機の当座の回避がなかったら、2020年の経済の落ち込みはもっとひどかったはずだ。

「まとまった額の、速やかで、規則に則った、かつて例を見ない財政的金銭的刺激策によって、家庭の可処分所得が維持され、企業のキャッシュフローが保護され、信用供与がサポートされた。これがなければ、国内総生産高はずっと低いものとなっていたはずだ。これらの対応すべてによって、2008-2009年における金融危機のような事態が再び起こることを今日まで食い止めている」とゴピナス氏は語る。

「これ以上の経済の後退を防ぐためには、政策的サポートを時期尚早に取り外さないようにすることが必要だ」

しかし実質的にすべての国において、済活動の深刻な落ち込みによるなんらかの「傷跡」が見られることになろう。「生産量がいつまでも失われ続ければ、パンデミック前に期待されていたような生活水準からは程遠い水準に落ち込む可能性がある」とIMFは言う

「潜在的な生産能力を低くすることによって課税ベースが小さくなり、債務返済がより困難になるという時でさえ、公的債務レベルが大幅に引き上げられようとしている」

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