
トヨタは金曜日、売上高と生産高について、今年世界の自動車市場に非常に大きな打撃を与えた新型コロナウイルスのパンデミックから急回復しており、その通期の従来予想をほぼ2倍に上向修正した。
日本国内トップ自動車メーカーのトヨタ自動車は、2021年3月期通期の純利益を従来の7,300億円から1兆4,200億円(1,370億ドル)に上昇すると予想している。
通期の売上高は、前回予想の24兆円から26兆円になる見通しだという。
上期の業績は前年同期比で低迷し、純利益は45.3%減の6,294億円となった。
しかし、パンデミックの影響を大きく受けた前四半期の1,588億円に対し、第2四半期には回復の兆しが見え始め、最終の純利益は4,705億円となった。
世界各国の自動車メーカーは、新型コロナウイルス危機により大きな打撃を受けており、多くは政府の援助に依拠している。
しかし、トヨタは先週、9月の世界生産台数と販売台数がともに過去最高を記録し、9ヶ月ぶりの増加を記録したと発表した。
トヨタの近健太執行役員は「(第2四半期は)回復できたと思う」と記者団に語り、「販売店やサプライヤーができるだけ多くの車両台数を納品するよう努力してくれた」と語った。
また、近氏は2008年の金融危機以降に実施された「対策の基礎」の恩恵も受けていると述べた。
「パンデミックの影響はまだ完全に払拭されていないが、トヨタは7~9月期に急速に回復しました」と東京の調査コンサルティング企業である株式会社ティー・アイ・ダブリュの自動車アナリストである高田悟氏は語る。
この決算報告の前、高田氏はAFP通信に対し、「楽観視はできないものの、売上高、生産高ともに回復に向かっています」と語った。
「厳しい経営環境を考えると、トヨタは国内のライバル会社を上回っています」と加えた。
木曜日、米国の巨大企業ゼネラル・モーターズは、米国と中国における力強い経済回復を受けて、第3四半期の利益が72%増加したと報告した。
また、ドイツ自動車メーカーのフォルクスワーゲンは先週、前四半期の15億ユーロの損失と比較し、9月までの3ヶ月間で32億ドルの純利益を計上したと述べた。。
トヨタの国内小型車のライバル企業である日産は、来週、今期の業績見通しが64億ドルと巨額の最終赤字となる見込みと発表して、3カ月後となる来週、上半期決算を発表する予定だ。
ホンダは同日、中間決算を発表する。
日本の自動車業界は米大統領選の行方を注視しており、為替相場を含めたマイナスの影響が出る可能性があると高田氏は付け加えた。
コロナウイルス感染者数が急増しているため、ヨーロッパでは再びロックダウンに陥り、他の地域では規制が強化されていることがまだ影響を及ぼしている。
「下半期は、ロックダウンも含めてパンデミックの状況を注視していく 」と近健太執行役員は語った。「通期では先のことは完全には予想できません。コロナウイルスの状況を注意深く見ていきたいと思います」と述べた。
トヨタ株は東京証券取引所で0.5%高となった。
岩井コスモ証券のブローカーである堀内俊和氏は、市場はトヨタの決算に前向きに反応したが、「円高はトヨタをはじめとする自動車メーカーにとって大きな懸念材料であることに変わりはありません」と警告した。
アジアの午後の取引では103円45銭だったのに対し、トヨタは今期の為替レートを1ドル106円とした。
円高では日本の輸出企業が国外へ輸出すると利益が減少するため、日本の輸出企業の見通しを曇らせてしまうことが多い。
トヨタ自動車の豊田章男社長は記者会見で自信に満ちた言葉で話し、ライバル企業のテスラについて語り、トヨタは電気自動車の分野で優位に立っていると主張した。
豊田社長は、テスラは 「キッチンやシェフもない中でレシピをトレードしています」と述べた。
「トヨタには『キッチン』もあれば『シェフ』もいる…トヨタは実績のある電動化フルラインナップの電気メーカーです」と付け加えた。
「将来的に選ばれるという意味ではテスラより一歩手前だと思います」と述べた。
AFP通信