
フランク・ケーン
ドバイ:世界最大の石油生産諸国が来年の原油供給に関して妥協による合意に達した。COVID-19パンデミックの結果として不安定さの残る市場で、継続的な回復の確保を目指す。
オンライン討議が行われてから1週間が経ち、サウジアラビアとロシアが主導する生産国同盟OPEC+は、1月から生産量を1日あたり50万バレルのみ増やすことに合意した。これは、当初計画されていた200万バレルよりも大幅に少ない
この新しい水準は、サウジのエネルギー大臣アブドゥルアズィーズ・ビン・サルマーン王子が会長を務めるOPEC+理事会により毎月監視され、市場の状況によって増加または削減される可能性がある。
妥協による合意の詳細は、石油輸出国機構のウィーン本部から組織された23の生産国による長時間の協議の後で合意された。
参加者たちは、世界中のエネルギー市場に対するパンデミックの影響との闘いを支援することにおける、アブドゥルアズィーズ王子の「忍耐強く、熱心で、並外れた努力」に感謝の念を示した。
一部の輸出国は、原油の需要が不安定なため、4月の歴史的な合意で予定された200万バレルの全面的な増産は、さらに3ヶ月遅らせるべきと主張した。4月の合意は、石油価格を10年ぶりの安値から引き戻したとして評価を得た。
その他の国、中でも特にUAEは、今後数ヶ月の需要についてより前向きな見通しを示した。
今回の妥協による合意は、効果的なワクチンのニュースが景気の見通しを引き上げたことを受けた石油価格の上昇を背景にして成立した。OPEC+会議が終了した頃、ブレント原油は49ドル近くに達していた。
エネルギー専門家たちはこの合意を歓迎した。コンサルティング会社カマル・エナジーの最高経営責任者ロビン・ミルズはアラブニュースに対し、「月間の増産を控えめな量にする計画は理にかなっている。市場を圧倒せずに、徐々に市場シェアを回復する。また、ワクチンの進捗状況に従って調整することもできる」と語った。