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OPEC、石油市場のシェアが縮小する中、需要見通しを引き下げる

OPECの原油およびその他液体燃料の生産は、2024年までに1日あたり3280万バレルまで減少すると予想されている(AFP)
OPECの原油およびその他液体燃料の生産は、2024年までに1日あたり3280万バレルまで減少すると予想されている(AFP)
05 Nov 2019 11:11:22 GMT9
  • 石油輸出国機構(OPEC)の原油およびその他液体燃料の生産は、2024年までに1日あたり3280万バレルまで減少すると予想されている

ロイター、ウィーン

世界経済の成長によりエネルギーに対する需要が高まっているにもかかわらず、米国のシェール生産およびその他競合するエネルギー源が拡大する中、今後5年間でOPECによる石油の供給量は減少するであろうとの見通しを同機構は示した。

OPECが5日に公表した2019年の世界石油見通しで、OPECの原油およびその他液体燃料の生産量は、2024年までには1日あたり3280万バレルまで減少すると予想されている。2019年の生産量は日量3500万バレルである。

欧米での気候変動活動の高まりや代替燃料の使用の拡大により、長期的な石油需要のへの評価がさらに厳しくなった。OPECは、今回の報告書で中長期の石油需要見通しを引き下げた。

ロシアとその他非メンバーが市場を支えるという協定のもとで、OPECの供給はここ数年低下している。結果として生じた原油価格の上昇により、OPEC以外による生産が強化され、OPECは2020年に生産を抑制すると予想されている。

OPECのモハメド・バルキンド事務局長は、シェールの別の用語を使用して、報告書の序文に次のように書いた。「OPEC以外からによる供給見通しは、特に米国のタイトオイル(tight oil)が再び予想を上回ったため、大幅に修正されました」

米国は、かつて非経済的と見なされていた備蓄を新技術により放出できるようにしたシェール革命により、石油生産量を過去最高に押し上げた。OPECの供給は、自主規制とOPECメンバーのベネズエラとイランに対する米国の制裁の結果減少した。

ウィーンを拠点とするOPECは、米国のタイトオイルの供給は2019年の日量1200万バレルから2024年には1690万バレルに達すると予想しているが、2029年には1740万バレル頂点まで緩やかに上昇するとみられている。

世界一の石油輸出国であるサウジアラビア、イラク、イランを加盟国とする14か国の中東が多数派を占める石油生産グループOPECは、中期的に世界の石油需要の予測を削減した。

世界の石油供給量のほぼ3分の1を汲み上げているこの組織は、2023年の石油消費量は日量1億390万バレルに達する見通しで、昨年の報告書の1億450万バレルから引き下げた。

長期的には、石油需要は1200万バレル増加し、2040年までに日量1億1060万バレルに達すると予想されており、これも昨年の見通しから引き下げられた。

OPECは需要見通しを引き下げた理由として、最近の経済成長見通しの引き下げに加えて、効率性の向上と他の燃料の使用を挙げた。先進国または経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油使用量は2020年の後に減少すると予想している。

電気自動車は、まだ世界の自動車のごくわずかなシェアしか占めていないが、「勢いを増しています」とOPECは語る。電気自動車は2040年までにOECD諸国の新たな全乗用車のほぼ半分、中国では約4分の1、世界全体では26%以上を占めることになるだろう。

豊富で抽出が安価な埋蔵量を誇るOPECは、今後数十年で生産量を増やしたいと考えている。非OPEC国からの供給は2026年には日量7260万バレルの最高値に達し、2040年までには6640万バレルまで低下すると予想されている。

バルキンド事務局長「長期的には、石油需要の大部分を満たすことが期待されるのはOPECです」

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