
米国の裁判官は木曜日、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏を密出国させた罪で日本から指名手配されていた米国人親子の身柄引き渡しを認めた。
米国のインディラ・タルワニ連邦地裁判事は、マイケル・テイラー氏と息子のピーター・テイラー氏の日本への引き渡しを阻止する米国の要請を却下した。彼女の判決は、米国国務省が彼らの引き渡しを承認したと言った3ヶ月後に下された。
タルワニ判事は彼らの弁護士が緊急請願書を提出した後、10月に彼らの引き渡しを保留にした。判事は木曜日の判決で、米当局はテイラー親子が行った行為が「引き渡し可能な犯罪に相当する」と非難されていることを「十分に立証した」と述べた。
トランプ政権法律チームの一員であったタイ・コブ氏を含むテイラー親子の弁護団は、国務省とホワイトハウス内の当局者に身柄引き渡しを阻止するようロビー活動を行っていた。
彼らのもう一人の弁護士、ポール・ケリー氏は木曜日にコメントを辞退した。テイラー親子の弁護団は、ボストンを拠点とする米国第1巡回区控訴裁判所に控訴する予定であると法廷文書で述べている。
「この著名な元米陸軍特殊部隊員とその息子は何の犯罪も犯しておらず、カルロス・ゴーン氏の出国後の面目を保とうとして日本に追われている」とコブ氏と弁護士のポール・ケリー氏は、国務省の10月の判決後に電子メールで発表した声明文の中で述べた。
テイラー親子は日本に指名手配されており、昨年、日産の元会長ゴーン氏をプライベートジェット機の箱の中に閉じ込めて国外逃亡するのを手伝ったという罪で裁判にかけられることになっている。ゴーン氏は保釈中で、金融不正行為の疑惑で裁判を待っていたが、彼は犯罪行為を否定している。
テイラー親子はゴーン氏の逃亡を手助けしたことは否定していないが、罪に問われていることは日本の法律では犯罪ではないため、身柄引き渡しはできないと主張している。彼らは5月に逮捕されて以来、マサチューセッツ州の刑務所に収監されている。
検察官は、これを「高級ホテルでの待ち合わせ、偽の人格、新幹線での移動、プライベートジェット機のチャーターなど目眩がするようなものを利用した、最近の歴史の中で最も大胆で巧妙に組織化された逃亡行為の一つ」と評している。
マイケル・テイラー氏は2019年12月29日、ドバイからチャーターしたジェット機で、もう一人の男ジョージ・アントワーヌ・ザイエック氏と共に大きな黒い箱2箱を大阪に運び、空港の従業員にはオーディオ機器を運ぶミュージシャンであると告げたと当局は発表した。
一方、ゴーン氏は東京のグランドハイアットに向かい、すでに来日していたピーター・テイラー氏と合流。
父テイラー氏とザイーク氏は、空港近くの別室を借りるために短い休憩を挟んだ後に合流した。到着して間もなく、一行はグランドハイアットを後にして解散した。ピーター・テイラー氏は中国行きの便に飛び乗ったと当局は言う。その以外の人々は新幹線に乗り、テイラー氏とザイエック氏が予約していたホテルに戻った。全員が中に入り、2人だけが出て行くのが目撃されている。
当局は、ゴーン氏が日本の関西国際空港に2人の男性によって運ばれた大きな黒い箱の1つの中に入っていたと言う。箱はチェックされることなく保安検査場を通過し、トルコに向かうプライベートジェット機に積み込まれたと、当局は法廷文書で述べている。
フライトは最初にトルコに行き、その後、ゴーン氏が市民権を持っているが、日本との引き渡し条約がないレバノンに向かった。ゴーン氏は、公正な裁判を期待できず、拘留中に不当な条件にさらされ、保釈条件の下で妻に会うことを禁じられたために逃亡したと述べた。
AP通信