
フランク・ケーン
ドバイ: 月曜、原油価格は1年以上ぶりに1バレル60ドルを越えた。「サウジの驚愕の」産出量削減が燃料となった。
世界的指標のブレント原油は60.2ドルに達した。今年の初め以来、15%以上の上昇となる。昨年4月に一時マイナスの領域に下落したアメリカの指標であるウェスト・テキサス・インターミディエイトも1バレル57ドルを越え、12ヶ月ぶりの高値を記録した。
アナリストは2021年の価格目標を引き上げ、最近の価格上昇の大部分に関し、一日あたりの世界の石油供給量を2ヶ月間に渡ってさらに1日100万バレル削減するというサウジアラビアが1月に行った決定を大きく評価した。
オックスフォードエネルギー研究所所長バサム・ファトゥ氏は、「減産の発表以来、世界の多くの場所でロックダウンが再導入されているにもかかわらず石油価格が上昇しています」と語った。
サウジアラビアの決定は、継続する市場の脆弱さに直面し、予定されていた供給量増加を延期したいと考えていた23ヶ国の強力なOPECプラス同盟国の大多数と、産出量を最大化したいと考えていたロシアとの衝突を回避させた。
石油は今年さらに急騰することになるだろうと考えるアナリストもいる。経済回復(特にアジア)が、引き締められた供給状況の下で需要を刺激しているためだ。
米国の投資銀行JPモルガンの石油・ガス調査部長クリスチャン・マレク氏は以前から原油価格の急騰を予見しており、「石油価格は大幅に変動し、100ドルにまで達することが目に見えています」とアラブニュースに語った。
マレク氏は、バイデン政権下での米国のシェールオイルに対する環境的・財政的な制限が石油市場に新たな「スーパーサイクル」をもたらす可能性があると述べた。「私たちは既に60ドルの地点にいます。空中で戻ってくる飛行機はほとんど見られません」と氏は語る。
スイスの銀行ジュリアス・ベアの経済部長ノルベルト・ラッカー氏は「当社は短期的な石油価格目標を65ドルに引き上げています。石油価格は今年半ばまでに70ドル越えの急騰を起こす可能性があります」と述べた。
先月の追加的な減産の発表の際、サウジアラビアのエネルギー大臣アブドルアジーズ・ビン・サルマン皇子は、サウジアラビアとOPECプラス諸国の経済を支えるために自分は「石油産業の守護者」として行動していると語った。
これですべての視線が来月初旬に開催される次回のOPECプラスの会合に注目することになる。将来的な供給に関する鍵となる決定が下される必要がある。サウジアラビアの減産は4月初旬に期限切れとなり、世界の供給量が追加されることとなる。