
ロイター通信
ロンドン:木曜日の原油価格は、米国の金利が低水準を維持するとの見通しが示されたことや、先週のテキサス州の寒波による原油生産量の急減の影響を受け、4日連続の続騰となり、13ヶ月以上ぶりの高値を記録した。
4月のブレント原油先物はグリニッジ標準時925時までに33セント(0.49%)上昇して、1バレル67.37ドルとなり、4月の米国ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は23セント(0.36%)上昇して、1バレル63.45ドルとなった。
両銘柄は、ブレントが67.70ドル、WTIが63.79ドルと、取引が開始されてまもなく2020年1月8日以来の高値を記録した。ブレントの4月銘柄は金曜日に期限が切れる。
米連邦準備制度理事会(FRB)から、しばらくの間低金利を維持するとの確約があったことは、ドルを弱めた一方で、投資家のリスク選好や世界の株式市場を後押しした。
テキサス州での厳しい寒波の影響で、米国の原油生産量は先週から10%以上、日量でいうと100万バレル(bpd)減少したと、エネルギー情報局が水曜日に発表した。
「ジェローム・パウエル理事長の穏健派路線と、すでに品薄となっていた現物市場とが組み合わさることで、原油価格は爆発的に上昇しました」と、OANDAのアジア太平洋地域担当シニアマーケットアナリストであるジェフリー・ヘイリー氏は述べている。
ジェローム・パウエル理事長の穏健派路線と、すでに品薄となっていた現物市場が組み合わさることで、原油価格は爆発的に上昇しました」
OANDAのシニアマーケットアナリスト、ジェフリー・ヘイリー氏
世界最大の石油消費国である米国の製油所の原油投入量が2008年9月以来の最低水準にまで低下したことから、燃料供給も逼迫する可能性があることがEIAのデータで明らかになった。
INGのアナリストは、生産量がかなり早く回復している一方で、製油所の生産能力が正常に戻るまでには時間がかかると予想されるため、米国の原油在庫は今後数週間で増加する可能性があると述べた。
木曜日に原油価格の予想を引き上げたバークレイズは、米国のタイトオイル事業者の価格上昇に対する供給の反応が予想よりも弱かったことも、最近の原油価格上昇の勢いが止まらない原因となっていると述べる。
「しかしながら、OPEC+による支援の緩和、より感染力の高いCOVID-19の亜種によるリスク、ポジショニングの上昇について、短期的には警戒を続けています」とバークレイズは述べた。
OPEC+として知られる、石油輸出国機構とロシアを含む同盟国からなるグループは3月4日に会合を開く予定だ。
OPEC+の情報筋によると、グループは4月からの石油供給制限の緩やかな緩和を議論する予定だが、感染症対策がさらに遅れるリスクを考慮して、今のところは安定した状態を維持することを提案する動きも一部にはある。
2月と3月にサウジアラビアが行った追加の自主的削減は、世界の供給を引き締め、価格を下支えしてきた。