
リヤド:MSCクルーズがジェッダを母港とする初めての事業者になる準備を進めている。ジェッダを拠点とする新たなクルーズの乗客の半分をサウジアラビアから、残りを世界中から誘致しようとしている。
サウジ人向けの料金はまだ発表されていないが、ジェッダ発の7日間の紅海クルーズの英国人向け料金は最低で929ポンド(1,315ドル)になると、MSCクルーズでグローバルセールスを担当するアキレ・スタイアーノ副社長はアラブニュースに語った。
MSCマニフィカ号に乗船する7泊の旅程には、サウジのアルワジュ港とヤンブー港の他、ヨルダンのペトラのアカバ、エジプトのルクソールのサファガへの寄港が含まれる。サウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)と関係のあるクルーズ事業者のレッドシー・スピリットは現在、NEOMのラス・アルアビヤドとシンダラ島を訪れる国内サービスを提供している。
MSCマニフィカ号を使うジェッダ発のこの新たな紅海クルーズに加え、同社の最新の船MSCヴィルトォーソ号も、アラビア湾での最初のシーズン中に、ドバイの母港を出港してダンマンを訪れる。MSCオペラ号もまた、2021/22年冬にドバイからオマーンへクルーズに出る予定だ。
PIFは今年1月、王国のクルーズ産業を開発し、2035年までに観光業界で50,000人以上の雇用を生み出す支援を行うため、クルーズ・サウジを立ち上げた。サウジのいくつかの都市に港やターミナルを開発し、サウジの遺産や文化へのアクセスを提供する。その中には、5つのユネスコ世界遺産登録地のうち、海岸付近にある3つが含まれる。
「地元の豊かな遺産を直接目にしたことで、自国の伝統と文化を保存し、それらを世界中が見られるようにするサウジアラビアの能力に感銘を受けた」と、MSCクルーズのピエルフランチェスコ・ヴァゴ会長はアラブニュースに語った。「MSCクルーズが高級クルーズのための目的地になることで、世界中の訪問者に対する王国の解放に貢献できる立場になることを嬉しく思う」
またMSCは、12月5日にジェッダで初めて開催されるサウジアラビア・グランプリに関心を持つ乗客も誘致したいと考えている。
世界のクルーズ業界は、コロナウィルスパンデミックの結果として課された旅行制限により大きな打撃を受け、ほとんどのサービスで休止が続いている。
MSCヴィルトォーソ号は今年後半のアラビア湾でのデビューに先駆け、先週木曜にサウサンプトンを出発し、1年以上ぶりに英国の港を出港したクルーズ船となった。
この4泊の小旅行は、英国南西部のポートランド島に1度寄港するだけのクルーズだった。
ギリシャのコルフ島は火曜、新たなシーズンで初めてのクルーズ船を迎え、600人が船を降りて上陸した。
MSCは、現在の状況に合わせた衛生・安全手続きを実施することで、世界の観光客が戻ってくる準備は整っていると述べた。しかし、現在のところワクチン接種を旅行の必須条件にはしていないと、スタイアーノ氏は話した。