
ベイルート:レバノンの経済破綻は、19世紀半ば以降で世界最悪レベルの経済危機である可能性が高いとする痛烈な報告書を、世界銀行が火曜日に発表した。
報告書は、レバノン経済は2021年に10%縮小すると予測し、「明確な転機は見えてこない」ことを強調した。
レバノンは昨年、負債不履行に陥り、通貨の価値は約85%下落し、かつては中東地域の繁栄の先導役とみられていたこの国は、今や貧困に苛まれている。
「経済や財政の危機は、19世紀中期以降、世界で最も深刻なレベルであり、10位以内、場合によっては3位以内に入る可能性がある」と報告書は述べている。
『レバノンの衰退:トップ3へ』と題した最新の世界銀行レバノン経済監視報告書は、これほど容赦のない経済崩壊は、通常であれば戦争の結果であることが多いと述べている。
過去18ヵ月におよぶレバノン経済の完全な破綻は、この国に代々引き継がれてきた政治エリートらによる汚職や不適切な統治によるところが大きい。
「これらの課題に対するレバノン指導者の政策対応は、非常に不適切であった」と報告書は述べている。
レバノンの支配層は、新型コロナウイルスや昨年8月の壊滅的なベイルート港爆発事故などで悪化した今世代最悪の緊急事態に対処することができていない。
「社会経済的にますます切迫するこの状況が、中東地域や、場合によっては世界的な影響を伴い、国家全体を破綻させていく恐れがある」と世界銀行は述べている。
国際通貨基金は支援を申し出ているが、この国の政治家たちは、外国が援助の条件としている改革を実現できるような政府を樹立することすらできずにいる。
「極めて不確実性が高いことから、2021年の実質GDPはさらに9.5%の縮小が予測される」と世界銀行は急速な回復への願いも空しく述べている。
世界銀行の報告によれば、レバノン経済は2019年に6.7%、2020年に20.3%縮小した。
AFP