
東芝の社外取締役4人が、同社が25日に開く定時株主総会で会社側が提案する13人の取締役選任案に異議を唱える声明を出したことが12日、分かった。昨年7月の定時総会について「公正に運営されたものとはいえない」と結論付けた外部の弁護士による調査報告書を踏まえ、「全員は支持しない」と表明した。
関係者によると、声明は社外取締役のジェリー・ブラック、ポール・ブロフ、ワイズマン広田綾子、レイモンド・ゼイジの4氏の連名。株主総会まで2週間を切る中、複数の社外取締役が会社提案に反対する異例の事態となった。
10日に公表された調査報告書は、東芝と経済産業省が連携し、「不当な影響を一部の株主に与えた」と明記。「物言う株主」に取締役選任案の提出を取り下げさせようとしたとして、「法令などに抵触する疑いのある行為すら見受けられる」とも指摘した。
社外取締役は声明で、調査報告書について「いくつかの点で深く憂慮させられた」との受け止めも示したという。
JIJI Press