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世界需要が早期に回復するとの楽観論から原油価格が上昇

8月のブレント原油先物は、グリニッジ標準時午前4時までに26セント、0.4%上昇して1バレル75.16ドルとなった。(シャッターストック)
8月のブレント原油先物は、グリニッジ標準時午前4時までに26セント、0.4%上昇して1バレル75.16ドルとなった。(シャッターストック)
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22 Jun 2021 01:06:48 GMT9
22 Jun 2021 01:06:48 GMT9
  • 2つのベンチマークはこの4週間、世界的な新型コロナウイルスワクチンの接種ペースに対する楽観論と、夏の旅行での需要回復見込みから、上昇している

東京:22日、原油価格は上昇し、ブレントは2019年4月以来となる1バレル75ドルに到達した。これは、世界の石油需要の早期回復に関して投資家が引き続き強気の姿勢を見せており、イラン産原油の早期供給再開に関する懸念が和らいだためだ。

8月のブレント原油先物は、グリニッジ標準時午前4時までに26セント、0.4%上昇して1バレル75.16ドルとなり、それまでの下げ幅を縮小した。取引序盤には、2019年4月25日以来の高値となる1バレル75.23ドルまで上昇した。

アメリカのウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の7月の原油は1バレル73.70ドルとなり、4セント、0.1%上昇した。8月のWTIは11セント、0.2%上昇し、1バレル73.23ドルとなった。

21日、ブレントは1.9%上昇し、WTIは2.8%上昇した。

両ベンチマークはこの4週間、世界的な新型コロナウイルスワクチンの接種ペースに対する楽観論と、夏の旅行での需要回復見込みから、上昇している。この反発により、アジアやヨーロッパの原油のスポット価格のプレミアムは数ヶ月ぶりの高値となった。

「市場のセンチメントは、世界的な需要の見通しが改善していることから、引き続き強気だ」と、楽天証券の吉田哲コモディティアナリストは述べ、アジアの株式市場の持ち直しも、投資家のリスク選好度を高める一助になっていると付け加えた。

投資家が経済成長に重点を置いていることが、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げに対する警戒感を一部相殺したため、世界の株価は22日、回復幅を拡大し、アジア市場は4週間ぶりの安値から反発した。

バンク・オブ・アメリカ・グローバルリサーチは、今年と来年のブレント原油価格の見通しを引き上げ、石油の供給不足と回復する需要により、2022年には原油価格が一時的に100ドルに達する可能性があるとしている。

原油在庫が4週間にわたって減少していることから、投資家は週間米国在庫データに注目していると、商品先物取引会社、株式会社フジトミの田澤利貴アナリストが語った。

アメリカの原油在庫は5週連続で減少すると予想されている一方、留出油とガソリンの在庫は先週増加したと見られることが、21日、ロイター通信の事前予測調査で明らかになった。

「ヨーロッパとアメリカの景気回復に伴い、燃料需要が急速に回復するとの期待の中で、原油価格は堅調に推移するものと見込まれる」と、田沢氏は述べた。

世界で最も活発に取引されている2市場の原油契約の価格差は、7ヶ月以上ぶりの水準にまで縮小した。これは、アメリカの原油生産が依然停滞しており、市場は引き続き供給不足となる見込みであることを示している。

イランの核合意の復活に向けた交渉は20日、同国の大統領選挙で強硬派判事のイブラヒム・ライシ師が当選したことを受けて、中断された。

ライシ師は21日、2015年の核合意を復活させるためのイランと6ヶ国との協議に支持を表明したが、アメリカのジョー・バイデン大統領との会談については、アメリカが全ての制裁を解除する場合であっても、きっぱりと拒否した。

「強硬派の新大統領の誕生により、イラン産原油の取引再開の可能性が低くなったことも、相場を支えている」と、フジトミの田沢氏は語った。

ロイター

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