エルサレム:11月23日、エルサレムでバスターミナルを標的とした2件の爆破事件が起き、少なくとも1名が死亡、15名が負傷した。治安および医療当局者が明らかにした。イスラエル公安相は事件を「攻撃」だとしている。
最初の爆発は市の外れにある、普段から通勤客が集まるバス停で起こった。
2回目の爆発は市北部のラモト地区で発生した。警察によると、爆発による負傷で1人が死亡した。
イスラエル救助隊のマゲン・ダビド・アドム氏によれば、爆破で4人が重傷を負った。
事件は、死者19人を出したイスラエル人への連続攻撃に触発されて、数か月にわたりイスラエルが被占領ヨルダン川西岸地区で急襲を行った結果イスラエル・パレスチナ間の緊張が高まる中で起きた。
過去数週間で、パレスチナ人による攻撃件数が増加していた。
さらに、事件の起きたタイミングはベンヤミン・ネタニヤフ元イスラエル首相が国政選挙後の連立政権発足に向けた協議を行っている最中であった。
協議の結果、おそらくはイスラエル史上もっとも右寄りの政権が誕生すると予想されている。
警察によると、初動捜査の結果、2つの場所で爆破装置が発見された。
2つの爆発はラッシュアワーの混雑時に発生し、最初の爆発現場では警察が市外へ続く主要幹線道路の一部を封鎖した。
最初の爆発後すぐに撮影された動画では、救急車のサイレンが鳴り響く中、歩道に散らばる瓦礫が映し出されている。
「ひどい爆発でした。いたるところに被害が出ています」と最初の爆発現場に出動した医師のヨセフ・ハイム・ガバイ氏はイスラエル軍のラジオ局に語った。
「傷から血を流す人々が大勢いました」
近年パレスチナ人による刺殺、車による体当たり、銃撃は起きているものの、20年近く前にパレスチナ人の反乱が終わって以来、爆破による攻撃は非常に稀になっている。
ガザ地区を支配するイスラム武装派組織ハマスは、かつてはイスラエル人に対する自爆攻撃を行っていた。
ハマスは今回の攻撃を英雄的作戦と呼んで実行犯を称えたものの、犯行声明は出していない。
「占領者は、我々民族に対しておこなってきた犯罪と攻撃の報いを受け始めている」とハマスのアブド・アル・ラティフ・アル・カヌア報道官は述べた。
極右の議員で、イスラエルを攻撃するパレスチナ人に死刑を要求しており、ネタニヤフ政権で警察担当大臣に就任が予定されているイタマー・ベン・グビル氏は、今回の攻撃でパレスチナ人の襲撃に対してより断固たる措置を講じるための弾みがついたと述べた。
「今こそテロリストに厳しい態度で臨み、秩序を作り出す時だ」と議員はツイッターに投稿した。
今年ヨルダン川西岸地区と東エルサレムで起きたイスラエルとパレスチナの衝突で、130人以上のパレスチナ人が死亡した。
今年の死傷者数は2006年以来最大となっている。
イスラエル軍によると、パレスチナ人の死傷者の大半は武装派組織のメンバーである。
しかし、領土への侵入に抗議して石を投げる若者や、対立に関与していない人々も殺されている。
ここ数週間では、さらに5人のイスラエル人がパレスチナ人による攻撃で死亡した。
AP