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PIF支援のACWA Power、2021年に160億ドル規模の新規プロジェクトに投資予定

ACWA Powerのポートフォリオには投資評価額2480億サウジリヤル(660億ドル)相当となる64の資産が含まれる。
ACWA Powerのポートフォリオには投資評価額2480億サウジリヤル(660億ドル)相当となる64の資産が含まれる。
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08 Jul 2021 09:07:18 GMT9
08 Jul 2021 09:07:18 GMT9
  • 電力開発企業の同社は最近、待望のIPOの正式許可を獲得した

シェーン・マッギンリー

リヤド:サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の支援を受けるエネルギー開発会社ACWA Powerは2021年、予定される新規株式公開(IPO)に先駆け、世界各地の新規プロジェクトに160億ドルを投資する予定だと述べた。

昨年初頭、パディ・パドマナサンCEO(最高経営責任者)は2020年に同社が新規プロジェクトに100億ドルを投資する計画があると述べた。コロナウイルスパンデミックにより、世界各国の政府が規制措置を導入したことを受け、計画の一部は実現まで当初の想定よりも時間がかかった。

「新規成長ビジネスにおいて我々が直面した唯一の困難は、成功裡に終えた取引の一部が私の言うところの開発段階の終わり、つまりファイナンシャル・クローズおよび建設開始にこぎつけるまで3~6カ月かかったことです」と、ACWAの最高ポートフォリオマネジメント兼暫定最高投資責任者のラジット・ナンダ氏はアラブニュースに語った。

「2020年中には約35億ドル相当のプロジェクトを実行し、ファイナンシャル・クローズまで導きました。2021年には約160億ドル相当のプロジェクトをクローズに導くことを目標にしており、うち4件はすでにクローズし、数件はこれから30日内にもクローズする予定です」

「我々は元々2021年に行う予定だったことを行っており、加えて2020年に成し遂げるべきだったこともやっています。昨年からの積み残しがあるのです」と、ナンダ氏は述べた。

ナンダ氏は、ACWA Powerは地理的には主にサウジアラビアを中心とした湾岸アラブ諸国協力理事会(Gulf Cooperation Council (GCC))に焦点を当てているが、アフリカにおける機会に加え、中央アジアやベトナム、インドネシア、バングラデシュ等東南アジアの一部の市場にも目を向けていると語った。

ACWA Powerは昨年末、3億ドル規模のサウジとの合同エネルギープロジェクトの一環として、地元企業との協業のもとアゼルバイジャン初となる風力発電開発に乗り出すと発表した。

「当社はエジプトやモロッコなどの国ですでに非常に重要な立場を築いています。しかし規模拡大の観点でセネガル、チュニジア等の他の国にも目を向けています」

2004年にリヤドで設立されたACWA Powerは従業員約3,500人を擁し、現在中東、アフリカ、中央アジア、東南アジアの13カ国で事業を展開している。同社のポートフォリオには投資評価額2480億サウジリヤル(660億ドル)相当となる64の資産が含まれる。

「進化という点で、当社は非常に興味深い動きを経験してきました。そのひとつに、非常に重要なこととして、現在ではサウジアラビア王国の政府系ファンドがACWA Power株の50パーセントを保有する重要な株主となったことが挙げられます」とナンダ氏は述べた。

「PIFとの関係により、当社は王国のビジョン2030メガプロジェクトに関連する大型プロジェクトをいくつか獲得できました。最近の最も顕著な例には、NEOMおよびAir Productsとの提携関係による60億ドル規模の水素プロジェクトがあります」

ラジット・ナンダ氏

このプロジェクトは現在初期段階にあり、2025年の完了を予定している。ACWA Powerのムハンマド A.アブナイヤン会長はアシャルクニュースとのインタビューで、「NEOMの街は再生可能エネルギー、特に風力・太陽光発電にとって戦略的な立地であり、新技術による再生可能エネルギーからグリーン水素への変換が初めて可能にするものです。このプロジェクトではグリーンエネルギー製品をあらゆる場所へ輸出するため、NEOMだけでなく全世界にメリットをもたらします」

この合弁事業では一日あたり650トンのカーボンフリー水素と一年あたり120万トンのグリーンアンモニアを生産し、毎年300万トン相当の二酸化炭素排出が削減される。

サウジにおけるもうひとつの大きな勝利は王国の新しい主力観光プロジェクトのひとつ、「レッド・シー・プロジェクト」のエネルギーインフラの設計、建設、運営、移設に関するザ・レッド・シー・ディベロップメント・カンパニー(TRSDC)との契約受注だ。

これは地域で初めて再生エネルギーのみを動力源とする観光地となる。受注内容にはレッド・シー・プロジェクトのフェーズ1を構成するホテル16軒、国際空港、インフラの再生可能エネルギー、飲用水、汚水処理、固形廃棄物管理、地域冷房が含まれる。

一連の大掛かりな予定プロジェクトの資金を調達するため、ACWA Powerは先月、同社初となるスクーク(イスラム債)を発行し、28億サウジリヤルを起債した。スクークは7年建てで、募集額の1.8倍の応募があった。

「発電や水等の資本集約型ビジネスを担う会社として利用できる資金調達の選択肢を継続的に評価していくことは、当社のビジネスモデルの一部です」とナンダ氏は述べた。「当社は債権市場との関係を構築しました。当社ではACWA Powerを質の高い投資家の前に提示し、そのような関係性の連鎖が確立されました」

ナンダ氏はACWA Powerの待望のIPOに関してそれ以上の詳細への言及は避けたが、サウジアラビア資本市場庁は先週、同社の総株式数の11.1パーセントの公開を承認した。承認の有効期間は6カ月だが、会長のアブナイヤン氏はIPOは2021年末までに実施されるものと期待すると11月に述べた。

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