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パレスチナの人々、ベン&ジェリーズの決定を歓迎。反ユダヤ主義の主張は却下

ベール・トゥビア工業地区にあるベン&ジェリーのアイスクリーム工場で働くイスラエル人。2021年7月20日。(AP)
ベール・トゥビア工業地区にあるベン&ジェリーのアイスクリーム工場で働くイスラエル人。2021年7月20日。(AP)
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21 Jul 2021 01:07:33 GMT9
21 Jul 2021 01:07:33 GMT9
  • アイスクリーム会社は占領地区での販売を中止する、パレスチナ人の権利を支持する人々が称賛した

ダウド・クータブ

エルサレム:アイスクリームのブランド「ベン&ジェリーズ」がパレスチナの被占領地域での製品販売を停止すると発表し、パレスチナ人グループと支持者は発表を歓迎した。

ベン&ジェリーズは月曜日に決定を発表し、次のように述べた。「被占領パレスチナ地域(OPT)でベン&ジェリーズのアイスクリームが販売するのは当社の価値観と不一致であると考えます。また、当社を愛顧してくださる皆様や信頼を置く提携各社から寄せられているご懸念を拝聴し、認識しています」なお、イスラエルでの販売は継続するという。

この発表に関してイスラエルの新聞「ハアレツ」が報じた記事の見出しには「ベン&ジェリーズ、入植地での販売を凍結」と書かれた。

パレスチナ外務省がこの決定を「道徳的」かつ「合法的」と述べたことをパレスチナの公式報道機関であるWafa(パレスチナ解放通信)が報じた。

イスラエルのヤイル・ラピド外相はこの決定を非難し、ツイッターに次のように書き込んだ。「ベン&ジェリーズの決定は反ユダヤ主義、BDS運動(ボイコット、投資撤収、制裁)、並びに反イスラエルや反ユダヤへの間違っている全てのことに対する恥ずべき屈服を表している。我々は黙っていません」

イスラエル・パレスチナ問題に関わっているワシントンのロビー団体Jストリートのジェレミー・ベン・アミ代表は、反ユダヤ主義であるという非難を却下した。

「そもそも2人のユダヤ人起業家が創業した大手アイスクリーム会社が占領地区で販売活動をしないことを決定したとしても、それは反ユダヤ主義ではありません」ベン・アミ氏はそう語る。

シカゴを拠点にイスラエル・パレスチナ紛争を取り扱うネット・ニュースサイト「エレクトロニック・インティファーダ」の共同創設者アリ・アブニマ氏もラピド氏の発言に反応し、次のように書いた。「アイスクリームは反ユダヤ主義であるだって? 5月にガザで何十人もの子供たちを殺害しただけでは飽き足らず、この醜悪で犯罪的なアパルトヘイト政権は今やベン&ジェリーズ@benandjerrys に宣戦布告している。ヤイル・ラピド氏@yairlapid は “イスラエル” がAP通信社を爆撃したようにベン&ジェリーズの本社への爆撃命令を出すつもりだろうか?」

アブニマ氏が引き合いに出したのは、5月にガザ地区にあるAP通信社のオフィスが入っているビルがイスラエルの空爆で破壊されたことである。

ラピド氏はBDS運動も非難した。この運動はイスラエルに対するボイコット、投資撤収、経済制裁を呼びかけるものである。ただし、BDS運動とベン&ジェリーズの決定に明確かつ直接的な関連はない。

ラピド氏はツイッターに、米国の30以上の州が「反BDS法案を近年可決しており、私は各州に、ベン&ジェリーズに対してその法律を執行するよう求めるつもりです。イスラエル国家に対し、何もしないというような扱いはないでしょう」

ベン&ジェリーズはバーモント州に拠点を置いており、イギリスの一般消費財メーカー・多国籍企業ユニリーバの傘下に入っている。BDS運動はベン&ジェリーズの決定を歓迎し、活動家の長年の努力の成果であると語った。

BDS運動はツイッターに「イスラエルの入植地はパレスチナから盗んだ土地にある違法なものであり、長年の#BDS運動の末、ベン&ジェリーズ@benandjerrysはその地域でのアイスクリーム販売を停止することを発表した」と投稿した。

クネセト(イスラエル国会)のアラブ人連合名簿の代表を務める政治家のアイマン・オデ氏はイスラエルでベン&ジェリーズのアイスクリームを食べている自身の写真を投稿した。

アイマン・オデ氏のクネセトの同僚のアイダ・トウマ・スリマン氏は次のように書いた。「この決定は正義であり道徳的です。被占領パレスチナ地域はイスラエルの一部ではなく、その地区での販売停止によって、占領の終結に向けた圧力が強められるでしょう。このような一歩を踏み出すのがベン&ジェリーで最後にならないことを願っています」

今回の決定の火付け役となった占領地域の状況や、それによって引き起こされた政治的動乱は間違いなく深刻なものだが、ネットの評論家の中には、ユーモアを込めて明るい面やチャンスに目を向けている人もいる。

子供向け教育番組「セサミ・ストリート」の元プロデューサーであるナイラ・ファロウキ氏は次のように書いた。「イスラエル政府が ベン&ジェリーズ#BenAndJerrys のアイスクリームを巡ってメルトダウンしたのはすごく明るく楽しい夏のお祭りだ。私は地元産のメガ・ダーク・チョコレートを食べながらそれを大いに楽しもうと思う。#BDS」

東エルサレムのシェイク・ジャラー出身のソーシャルメディア・インフルエンサーであるモハメド・エル・クルド氏もいじらずにはいられなかったようだ。

「政治家や取り巻きがアイスクリームを巡ってメルトダウンする様子を見るのは実に楽しい」とエル・クルド氏は書いた。

ベン&ジェリーズの決定は、バルセロナとベイタル・エルサレムのサッカー親善試合の中止を受けたものである。スペイン側がエルサレム占領地域では試合をしないと述べたことで試合が中止になった。

パレスチナの人々曰く、ベイタルの熱心なファンはアラブ人の死を求める人種差別的な合唱をしてきた過去があるという。そしてこのチームは、イスラエルの主要サッカークラブの中で唯一、アラブ人選手と契約したことのないクラブである。

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