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4IR、サウジを新たなドローン技術の世界的中心地にする可能性を秘める

4IRを気候変動対策に活用することができる重要な分野もある。(SPA)
4IRを気候変動対策に活用することができる重要な分野もある。(SPA)
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01 Aug 2021 12:08:45 GMT9
01 Aug 2021 12:08:45 GMT9
  • サウジの物流インフラの向上は、「ビジョン2030」戦略の優先分野だ

フランク・ケイン 

ドバイ:サウジアラビアは、世界経済フォーラム(WEF)との提携でリヤドに最近開設した「第四次産業革命センター(4IRセンター)」が進める計画に基づき、新たなドローン技術の世界的中心地になる可能性がある。

同センターのマンスール・アルサレハ所長はアラブニュースに対して、重量物運搬ドローンは、第四次産業革命(4IR)プロジェクトのひとつとしてサウジが優先させてきた技術だと語った。「サウジアラビアは、重量物運搬用ドローンの規制枠組みを構築する上で、主導的国家になる可能性があります。世界を先導していくことができるのです」と同氏は述べた。

重量物運搬用ドローン技術は、サウジだけでなく世界的により高度な規制枠組みを必要とする段階まで進歩しており、それらがサウジ民間航空総局、運輸省、サウジアラムコとの共同で開発されているとアルサレハ氏は述べ、「その使い道は無限です」と語った。

先進的ドローンは、コロナ禍においてアフリカでのワクチン輸送に使われ、米国のドローン製造業者たちもアクセス状況の悪い地域に重量物を輸送する取り組みを加速させており、技術によっては最大500㎏の重量物を運ぶことができる。サウジの物流インフラの向上は、「ビジョン2030」戦略の優先分野とされており、ドローンは既存の輸送システムを強化する重要な鍵と考えられている。

「これら互いに支援し合う規制改革と実験テストという2つの要素を統合することで、サウジアラビアは、自国の産業発展と社会的目標を支援しつつ、世界のモデルとなることができる」とアルサレハ氏が共同執筆した最近のWEF報告書は述べている。

サウジは、4IR技術を適用できる70件の機会を特定しており、ドローン技術以外にも、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ブロックチェーン、政府データシステム、NEOMなどの「スマート都市」という5つの分野で計画を優先的に進めているとアルサレハ氏は述べる。

各候補プロジェクトは、次の4段階を経るのだと彼は説明する。特定と選択、他の利害関係者との共同での枠組み開発、試作品とテスト、そして規制枠組みの中での規模の拡大だ。

先日、4IRセンターの開設を記念してリヤドで開催された2日間のイベントで、多くの講演者が、政府と経済・社会関連分野のさまざまな事業者や機関が提携することの必要性を強調した。アルサレハ氏もその認識をさらに強調している。

「我々は、公共部門や規制部門、そして、民間部門や研究・学術部門を含めたエコシステムを模索しています。それらの分野間で正しく融合されることが大切です」と同氏は述べた。

課題のひとつは、早い段階で技術を特定し、規制枠組みが十分に整備されている状況においても、その技術を「サンドボックス」にかけて試験するという段階を通してさらに開発させることだ。「時にはリスクを負わなければならないこともあります」と彼は述べた。サイバー攻撃への脆弱性や、個人情報保護の懸念など、急速な技術開発には付きものの課題を警告する専門家もいるが、アルサレハ氏はこれらの問題を解決して克服することは可能だと確信している。「これらの課題を解決できる何かひとつのコツがあるわけではなく、それらひとつひとつに対処していく必要があります。しかし、4IRがもたらしてくれるメリットにもっと目を向ければ、それが課題を克服する助けとなります。我々は、新進技術から派生するリスクを最小限にしていく必要があります」と彼は述べた。

4IR技術のインパクトは、人類の社会や経済活動のあらゆる側面に及ぶとアルサレハ氏は言う。「ある特定分野に限定することはできず、あらゆるところに影響します。そのペースに追いついて早い段階で採用しなければ、遅れをとることになります」と彼は説明し、4IRの「研究」と「活用」の段階をうまく両立させる必要性を強調した。しかし、IoT技術やAI技術には巨大な市場価値があり、多くのさまざまな用途に活用できると述べた。「何が将来を形成することになるかは分かりません」と彼は言った。

また、4IRを気候変動対策に活用できる重要な分野もある。「炭素循環型経済という取り組みがあります。クリーンなエネルギーに変換するには、4IRがその中心になる必要があります」とアルサレハ氏は述べた。

コロナ禍がもたらす大きな問題に立ち向かう上で、先進技術が極めて重要になっており、バーチャルな通信システムを通したリモートワークといったいくつかの変化は、コロナ後の世界の恒久的な特徴となるかもしれない。

サウジアラビアは、世界にある13の4IRセンターのひとつであり、その恩恵は世界にインパクトをもたらすとアルサレハ氏は言う。

「WEFや4IRのような組織は、すべての人に手を差し伸べています。すべての人がアクセスでき、すべての人がその取り組みの恩恵を受けることができます」と彼は述べた。

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